税金を払った方がキャッシュフローは良くなります

税金を払った方がキャッシュフローは良くなります

顧問契約している税理士の先生は、利益が出た場合に何かしらの投資を行って利益を無くし、法人税を払わないことを提案されるのでしょうか?
税理士の先生それぞれの方針というものがあるでしょうが、私個人としては利益が出たら素直に税金は払った方が良いという意見になります。

理由は、「税金を払わない=利益を残さない」ということであり、どれだけ頑張って売上を上げてもキャッシュフローが改善しないからです。

実際に費用が異なり、それに伴って税金の額も異なる3パターンの損益計算書を使って比較してみたいと思います。

話を簡単にするために、以下の設定をしています。

  • 売上は全て同じ、費用だけが異なる。
  • 費用の中に非資金費用は含まれない。
  • 税率は40%とする。
  • 取引は全て現金で、売上債権、支払い債務等はなし。
  • 資産は全て現金とする。
パターンA パターンB パターンC
売上 1,000 1,000 1,000
費用 800 900 1,000
税引前利益 200 100 0
法人税等 80 40 0
税引後利益 120 60 0
  1. パターン1は特に税金対策はしていません。
  2. パターン2は税金を減らすために費用を増やしたパターン。
  3. パターン3は税金を0にするために売上と同額の費用にしたパターンです。

これら3パターンが、キャッシュフローにどのような影響を与えるのか下の貸借対照表を見比べてください。
上が元の状態で、それぞれの結果が反映されたものが下の段の3つになります。

貸借対照表

いかがでしょうか、当たり前の話ですが、税金を支払ってでも純利益を残した方が現金が増えます。
つまり、資金繰りが良くなる、キャッシュフローが改善するということになります。

では費用が現金の支出を伴うものではなく、非資金費用である減価償却費の増加であった場合はどうでしょうか。
その場合も、必ずしも良いとは限らないという結論になります。

「減価償却費の増加=設備投資などの固定資産の増加」です。
その設備投資が次期以降の収益向上に繋がれば良いのですが「古くなってきたのでオフィスの家具を買い換えました」のような直接収益に繋がらない物品を購入したという場合は単なる現金流出、つまりキャッシュフローが悪化しただけということになります。
また、資金を貯めたら効果のある設備投資ができるのに、今期の税金を減らすための投資がその資金を貯める機会を奪ってしまうことになります。

また、負債返済の原資は減価償却費と税引後の当期純利益になります。
つまり、税金を払ってでも利益を残さないと、負債返済の原資を失うことになります。
税金は払わないけど、負債返済のやりくりで資金繰りが大変です。キャッシュフローが悪いので負債に頼ることになり、負債増加に伴って利息が増えるのでキャッシュフローはさらに悪くなり…という悪循環に陥りかねません。

以前、フォーカスをあてるポイントについて書きましたが、税金に関しても同様です。
「税金を払わない」という“行為”にフォーカスが当たっていて、それによる“成果・結果”にフォーカスが当たっていないと、節税はしているのかもしれませんが、それで得することが何もないということになってしまいます。
得しているように見えて、全然得していないというパラドックスに陥ります。

状況によっては、税金を払わないことが得になることもあるでしょうが、税金を払わないことが常に正しいわけではないということは意識した方が良いのではないでしょうか。

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