普段からのつきあい2

普段からのつきあい2

以前、起業するに当たっては現在の人脈が大事だと書きました。
現在の人脈というのは普段からの人付き合いの結果ですが、普段の人付き合いについて書いてみたいと思います。

さて、現在の自身の評価は今までの行動(何をして、何をしない)と言動(何を言って、何を言わない)の結果です。
人から評価をされるような行動や言動をしていたら周囲から評価されているし、評価をされる行動や言動をしていないのであれば周囲から評価をされていないのは当然です。

そもそも評価をされるためには評価対象から知られていないといけません、当然ですよね。
仕事の受注に繋げるためには、評価対象から評価されていなければいけないのは前述したとおりです。
しかし、競合がいる場合はその競合との比較になります。
競合がたくさんいる場合は、評価者のリストの何番目に自分(自社)が載っているかということになります。

「待ってるだけで仕事が来るわけがない」と言われたら誰だって首肯するでしょう。
ですが、受注ができるだけの評価を得るために何をやっていますか?

実績があれば、それをアピールすることもできます。
起業家の場合は実績がない、あるいは公に見せることができる実績がないことも考えられます。
そういった場合は、普段からの行動によって得ている「この人なら信頼できそう」という評価が大事になってくる訳です。

例えばプロコンとして独立したい中小企業診断士がいるとします(士業の方なら「中小企業診断士」というところをご自身の資格に読み替えていただいても同じです)。
今までは企業に勤めていたので協会に入るメリットも感じなかったし、他の診断士との交流も特にしなかったけど、独立することにしたので顔と名前を売るために協会に入って名刺を配って回っている。
この時点では、仕事が欲しいから近づいてきたってだけの人ですので、評価はされていない訳です。
普段から積極的に協会の活動などに参加していて、もっと評価されている人が他にいる訳ですから、何かあったらそちらに話が行くことになります。

起業直後は当然ながら仕事は少ないので、自分が勤めていた企業を顧客にしてのスタートもありえます。
そのためには、(発注してもらえるような仕事があったうえで)勤めていた企業の方から評価されていなければいけません。
仕事を得るために評価されようという、下心からの行動が良いのかどうかは判断しかねますが、何もしないよりは良いかと思います。
起業の準備も色々ありますが、人から評価につながるような積極的な行動も重要な準備ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

製と商

製と商

スポーツの例え話で1+1は2以上(正式に式にすれば1+1>2になるでしょう)というのがあります。
ビジネスにおいてもメンバーが力を合わせて総和を上回る力を発揮して欲しいですかと聞かれたら、経営者の方ならYESと答えるのではないでしょうか。

さて、株式会社ビズリーチはビズリーチという転職サイトを運用していますが、大学生向けのビズリーチキャンバスというサイトも運用しています。
そのサイトの解説

メーカー業界とはそもそも何を指すのか。大まかにいってしまうとモノを作る業界、つまり製造業です。

と説明しています。

大学生向けの説明にしてもざっくりしすぎな気がしますが…、ともかく製造業はメーカー(maker)、つまりmakeをする者ということです。
ではmakeだけしているのかといえば、決してそんなことはありません。
makeした製品を売らなくては費用が掛かるだけで売上が上がりません。

何を当たり前と思うかもしれませんが、会社全体で見れば製品を製造して商品にし、販売するまでが必要な業務です。
誰にどう売る、どうプロモーションをするということを考えて製品の企画、生産をしているでしょうか?

もちろん、それぞれの業務はそれぞれの担当部署が責任をもって行うのですが、それぞれの業務以外のことは関知しない、何がどうなっているのか知らないと書いてみるとそれで良いのかと思いませんか?
経営者側の視点で書けば、それぞれの担当は自分の担当業務のことだけ知ってれば良いし、連携もしなくても良いと書くといかがでしょう?
これはまさに1+1=2ですよね。

お互い異なる業務に口を出させろと言っているのではありません、それはかえって効率が悪化するでしょう。
業務ごとに後は任せた、もう知らんというリレー式にするのではなく、企画の段階から営業・販促・プロモーションを含めて全体的に統括する仕組みを作るということです。
日産自動車の場合はデザイン部を社長直轄にしたり、欧米の企業だとマーケティング部が全体の横串を通していることもあります。
新たに部を作るというのは現実的ではないので、経営者自らあるいは他のエグゼクティブ層がその役割を担うことになるでしょう。

1+1を2よりも上回るようにするのなら、それなりの仕組みが必要です。
現状のスキームで2よりも大きくしようと思ったら、そもそも1よりも大きな数字にしないといけなくなります。
採用が難しい現状で、あるいはさらに付加価値を高めるのであれば、それなりの仕組みづくりに取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

普段からのつきあい

一人で事業をやっていくことはできません。
従業員を雇用しないとしても、顧客や仕入先など多くの人と関わることになります。
一度顧客になってもらったとしても、永遠に顧客でいてくれるかどうかわからないし、いつも同額の注文をしてくれるかということも分かりません。
そのため、程度の差はあれども常に顧客開拓をし続ける必要があります。

未来の顧客とつながるためにはそこへ至るルートが必要です。
ルートはとどのつまり人脈、人とのつながりです。
その人脈から直接仕事を受注したり、紹介をしてもらうこともあり得ます。
人脈は多い方が良いし、繋がりが細いよりも太い方が受注の確率も高まります。
人脈は事業を行う中で増やしていき、付き合う中でつながりを太くしていく必要があります。

さて、起業したばかり、あるいはこれから起業しようという場合は、自身が元々持っている人脈というものが一つのとっかかりになります。
しかし、知り合いではあっても普段からあまり付き合いがなければ、自分が起業したから(するから)顧客を紹介してくれと言われても、その人とのつながりが細ければ顧客を紹介してくれる訳がありません。
つまり、普段からのつきあいが重要ということが言えます。
これは、ザイアンスの法則について書いた通りです。

仕事を受注しないことには売り上げが上がりません。
起業の準備も色々ありますが、積極的に人と関わるというのも重要な準備ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

和了らない役満よりも和了った平和

和了らない役満よりも和了った平和

麻雀が分からない人には伝わらない話で恐縮です。

題名の通り、どんな役でも和了しなければO点で、平和のみを和了った1,000点よりも点数は低いんです。

さて、製品のコモディティ化が進む今日において、機能や品質のみで差別化が難しいため、経済産業省・特許庁が著名デザイナー、デザイン担当役員、知的財産担当、経営コンサルタント、学者を集めて「産業競争力とデザインを考える研究会」なるものを立ち上げました。
11回に渡る協議の末、2018年5月23日に「デザイン経営」宣言という形で提案がなされました。

内容はデザインによる我が国企業の競争力強化をしましょうということなんですが、具体的施策の一番目にCDO(Chief Development Officer)、CCO(Chief Content Officer)、CXO(Chief Experience Officer)などのデザイン責任者の経営チームへの参加というのがあります。
中小企業には難しそうな話ですし、大企業ならできるのかと言われるとそれもどうなのかという印象を持ちました。

さて、どんなに素晴らしい計画だったとしても、実行しなければ一歩も前に進みません。
逆に、それなりの計画であったとしても、実行すればそれなりの分は前進します。

「デザイン経営」宣言や、コンサルタントの提案も同じです。
提案の中身がどんなに素晴らしかろうが、実行しようと思っていただけなければ意味がありません。
また、実行しようと思っていただいたとしても、実行できなければやっぱり意味がありません。
中味がそれなりの提案でも、実行しようと思っていただき、実際に実行していただければ、それなりの分は前進します。

もちろん、素晴らしい計画を立てるなと言っている訳ではありません。
計画は実行しようと思えること、実行できることが前提ということです。

ちなみに、「デザイン経営」宣言は、デザインの活用という点は同意できるのですが、和了らない役満どころか和了らない喰いタン(30符1翻)って感じでした。

人手不足

人手不足

業種によって違いはあるものの、中小企業人手不足が深刻なのは間違いがないようです。
中小企業庁の中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドラインによると、基本的な考えとして以下の3点が挙げられています。

  1. 人手不足という環境を所与のものとし、企業の変革のための機会と捉え直す。
  2. 女性、ミドル、シニア、外国人等の多様な人材に視野を広げ、人材を確保する(掘り起こし定着)。
  3. IT導入や設備導入、人材育成等により、1人あたりの生産性(労働生産性)を向上する。

さて、採用に当たって、経験者ならともかく、未経験なら若い方が良いというのは分かります。
しかし、日本の人口は逆ピラミッド型になっていて、若い人はだんだんと減っていくので新卒採用の難しさは上昇します。
今までと同じ探し方を続けていたらますます採用は難しくなるのが予想されます。
そんな状況で選り好みをしていたら、いつまで経っても人材採用ができません。

仕事に人を当てはめようとしていて人材不足な訳ですから、この点を変える必要があります。
時短職員や嘱託職員としてシニア層を活用している企業がありますが、企業の変革のための機会ということで、時短や曜日限定の他にも仕事の作業内容を組み替えるなどして女性、ミドル、シニア、外国人などが活躍できるような場を作れないでしょうか?

新規参入者の価格設定

新規参入者の価格設定

できたばかりの飲食店に行って、仮に出てきたものがまずかったとしたら、新しくできた店だからまずくてもしょうがないなと思うでしょうか?
もちろん、そんなことは思いませんよね。
値段相応のものを出してもらわないといけないのは、新しくできた店だろうが、老舗だろうが関係ないはずです。

さて、新規参入したサービス業の事業者が既存の事業者よりも同じサービスでも低価格に設定することはよくあることです。
新規参入者なので実績がないため、サービスの品質を証明できないからということが理由の一つでしょうか。
これを、顧客の立場で考えてみたらどうでしょうか?

顧客からしてみたら新規参入の事業者も既存の事業者も全部ひっくるめて同じ基準で比較して、どこに依頼するかを決めるはずです。
新規参入だからそれなりの成果でも良いとは思ってはくれません。

既存事業者よりも低価格の値段設定をするということは、同じ値段だと仕事を受注できる自信がありません、既存事業者と同じラインに立てませんと自らアピールしているようなものと言い換えることができるでしょう。
それはプロの態度とは言えませんので、顧客から信頼されないのも当然です。

価格には品質をイメージさせる効果があります。
ちゃんとしたサービスを提供できる事業者であることをアピールするには、価格設定も重要であるはずです。
つまり、新規参入だから既存事業者よりも低い価格に設定するということは逆効果だと思うのですが、いかがでしょうか?

雑巾を絞る

雑巾を絞る

中小企業診断士の1次試験は総得点の60%を獲得すると合格です。
全ての科目で60点(以上)を取る必要はなく、60点を下回る科目があっても他の科目でその分の補填ができていれば合格ということになります。
しかし、学習の効率を考えると、そこそこ得意で60点取れる科目を80点に伸ばして苦手科目をカバーするよりも、苦手で40点しか取れない科目を60点にする方が合理的です。
(100点から60点を引いた)残り40点の内、20点を取るということと、(100点から40点を引いた)残り60点の内、20点を取るということを比較すると、後者の方が楽だというのは言うまでもないでしょう。
(あくまでも学習する上での戦略の話であって、結果として得意科目で苦手科目のマイナスをカバーすること自体は問題ありません。)

さて、トヨタのコスト削減で有名な「乾いた雑巾を絞る」という言葉があります。
製造業なら元請けからのコストダウン要請に対して対応を迫られるなんてことは日常茶飯事でしょうから、まさに乾いた雑巾を絞るがごとく日ごろからコストダウンに励んでいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、絞るのなら濡れた雑巾を絞る方が水は絞れますよね?
生産現場以外にはコストカットにつながるような余地はないのでしょうか?

製造現場はより効率化するために工程を削ったり、順序を工夫したりするのに、製造現場以外は仕事の進め方を工夫しようとしないのが当たり前になっています。
製品の製造と違って、時間やコストがわからないというのがその理由かもしれません。
しかし、仮にコストが明確に分からなくても作業の時間が短縮すれば、その分のコスト削減ができているということは分かるはずです。

「もはや行うことが目的になっている定例会議ですらなくせないのだからしょうがない」と開き直っても仕方がありません。
乾いた雑巾よりも濡れた雑巾を絞るつもりで、製造現場以外の業務改善を行った方がコスト削減には合理的だと思いますが、いかがでしょうか。

方法の前に

X-Y=Z

売上をアップさせるというのは大抵の事業者様にとって課題と言えるでしょう。
ではどうしたら良いか…と具体的な方法を考えるのは尚早です。

X-Y=Zの計算においてZを求めようと思ったら、XとYが分かっている必要があります。
同様に、まずは目標値が決まらないと現在との差分が分かりません。
具体的な方法はその差分によって変わってきます。
同期間で売上を1割アップさせる手法と、2倍にする手法が同じではないというのはイメージできるかと思います。

同様に、アプローチしたい相手に対して訴求をしようと思ったら、やはり相手が明確である方が訴求力が高まります。
「30代の女性」と「30代のビジネス街で働く既婚女性、毎月の化粧や美容にかけられる金額は10,000~15,000円程度、通勤で片道20~30分程度は電車に乗っており、その間はスマートフォンを使用している」
どちらが効果的なアプローチ方法を考え付きやすいかという点を考えると、応えは明白ですね。

資格取得を励行したり、資格取得の補助をしたりすること自体は良いことですが、それが戦略に基づいたものであればさらに効果が高まります。
例えば数年後企業がどうなっていたいか、企業の戦略や売上、組織の在り方、そういったものが従業員がどう成長していってほしいかを決めるはずです。

現状は把握しているとして、ゴールは設定されていますか?
それがないと選択肢から適切な選択ができないし、そもそも選択肢すら用意できないかもしれません。
どこにあるのかわからない場所に、当てずっぽうで行こうとしていませんか?

青い海

青い海

不戰而屈人之兵、善之善者也

孫子の有名な文句ですね。
原文は前段階の説明があって、「是故百戦百勝、非善之善者也。不戦而屈人之兵、善之善者也」となっています。
つまり、「百回戦って百回勝つというのは優れたものではない。戦わないで敵を屈服させるのが最高に優れたものである」ということです。

ブルーオーシャン戦略もまた、競争のない状態を作り出すべきという論です。
それができたら苦労しないと思われるかもしれませんが、そもそも競争のない状態を作ろうとしなければできるはずがありません。

うまみのある市場は誰にとっても魅力的な市場ですから参入者が多く、結局のところ競争の中に自ら飛び込んでいくことになってしまいます。
競争に勝ち抜くことができれば良いのですが、規模が小さい企業は難しいのが現実です。
今後はこの市場が大きくなりそうだから参入しよう、これをやっている限りは競争に勝ち抜ける一つまみの企業以外は常に収益性が低い状態を脱することができません。

市場(ニーズ)がない商品・サービスでは儲からないのはいうまでもありませんが、誰にとってもうまみのある市場なら競合も多くなるので競争が激しくなって、自社にとって儲かる市場とも言い切れません。
性能と価格の勝負のような、既存の枠組み内で考えていたら、おそらく競争から逃れるのは難しいでしょう。
違う評価軸を与えて、市場を既存にはないセグメンテーションができないでしょうか?

取り残される従業員

取り残される従業員

先日、とあるフリーランスの方と話をさせていただいたときのことです。
ゲームのメーカーなどに出向いて、3Dのモデリングをやるというのがメインのお仕事なんだそうですが、当然ながら同様の仕事をする従業員の方より収入は上なんだそうです。
報酬を支払うメーカー側にすると、社会保険の負担もないし、人件費という固定費ではなく外注費という変動費にできるため、結果として費用が下がります。
1回のプロジェクト当たりの単価が従業員より高くなっても、トータルで見るとメーカー側の負担は小さくなります。

収入そのものはメーカーに勤めている同職種の方よりも高いので、出向先のメーカーの方からも収入の面であれこれ言われることも有るそうです。
その時に「じゃあ独立すれば?」と言うと皆が黙るそうです。

スキルに自信があって、現在の境遇に不満があるなら独立・企業という選択肢があります(必ずしもスキルがある=食べていけるという訳ではありませんが)。
私がかつて勤めていた会社にも仕事中にSkypeで人(社長だったり、他の従業員だったり)の悪口をやり取りするのが日課の人がいました。
毎日文句を言っているにも関わらず、結局転職するなり、独立するなりしないのは、自分自身に市場価値がないと思っているからなのかどうかは分かりませんが、リスクを負うことができないのは間違いありません。

人間ですから愚痴の一つや二つをこぼす程度なら普通でしょう。
しかし、自分から境遇を変えよう、不満の解消のために自分から変わろうということをしないのであれば、昨今AIや働き方改革が取りざたされていますが、今後の環境の変化の中で取り残される可能性が出てきます。

そんな安全な環境の中で文句を言っているだけのモラトリアムな従業員など放っておけば良いと言われればそれまでですが、周囲に悪影響を及ぼしかねませんし、必要なだけの仕事をやるのであれば戦力には違いがありません。
従業員と向き合えば解決するとまでは言い切れませんが、従業員と個別に話し合う時間などを設けてみてはいかがでしょうか。
不満の原因を聞くだけでも、お互いにとって前進にならないでしょうか。

ご依頼やご相談、お問い合わせなどはこちらより受け付けております。
初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください