古典に学ぶ(貝原益軒)

古典に学ぶ(貝原益軒)

貝原益軒は江戸時代の本草学者、儒学者で、非常に含蓄のある言葉を残しています。
ビジネスにも大いに役立つと思いますので、いくつかご紹介したいと思います。

知っていてもそれを行動に移さないのであれば、知らない者となんらかわりは無い。

知識を増やすという行為は、前に進んでいる気がします。
「知識」と書きましたが、この場合は英語でいうところのinformationであって、intelligenceとは異なります。
つまり、ただ知っているだけで経験としてはゼロという状態です。

そこに行動することにより経験し、フィードバックすることでinformation同士が有機的に繋がってintelligenceになるというイメージでしょうか。

志を立てることは大にして高くすべし。
小にして低ければ小成に安んじて成就しがたし。
天下第一等の人とならんと平生志すべし。

競合他社との競争は避けるのが原則です。
ですが、競争が避けられない場合は、より強い方が勝ち残りやすくなるのは事実でしょう。

自社の前には誰もおらず、自社の後ろにも誰もいない状態が理想だと考えています。
それも天下第一等と考えられないでしょうか。

喜びの時も怒りも時も何も行動をしてはいけない。
喜びもやみ、怒りもやみ、平常心を取り戻した後に事を行なうようにしなさい。

感情としてプラスの時もマイナスの時も、平常ではないのだから判断を誤るということでしょうか?
確かに、普段通りにしたいのであれば、精神状態が良い状態のときも普段通りのことが出来な可能性がありますね。

長く残っている言葉は、長く残っているだけの理由があると思います。
温故知新ということで貝原益軒の言葉から経営を考えてみました。

事象

事象

コップの中に水が半分入っています。
これを「半分しかない」と捉えるか、「まだ半分ある」と捉えるかで、その人の志向の傾向を見るというものがありますが、「コップの中に半分水が入っている」という事象にスポットを当てて考えてみてください。

経営において重要なことは、「コップの中に半分水が入っている」という事象から何を考えるかではないでしょうか。
例えば

  • なぜコップの中の水は半分なのか?
  • 元々はどの程度入っていたのか?
  • フルに入れたかったが、充分な水がなかったのか?
  • そもそも半分で十分なのか?
  • フルに入っていたが、半分に減ったのか?
  • 減ったのだとしたら、何に使ったのか?
  • 半分の状態にしておくとこで、どういった影響を受けるのか?

…等々、色々ありますが、一つの事象からある程度の因果をたどってみることは可能だと思います。

法律が変わる、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?
自社の所属する業界が自由化する、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?
新しい制度ができる、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?

外部の状況が変わるという事象を変えることはできないので、経営者としてはそれに対応しなくてはいけません。
だとすれば、その事象が起こった(起こる)理由と、その結果を考えることで早めの対応を行いようにすれば、機会を掴みやすくなり、ピンチをしのぎやすくなると思いますが、いかがでしょうか?

1-0≠2-1

1-0≠2-1

1-0と2-1はどちらも答えは1です。
数字の上では同じですが、経験の量を定量化したものだとしたら、それが0から1になるのと、1から2になるのとでは同じではないのは同意いただけると思います。

「起業したいが、まだその準備が整っていない」
どうなれば100%準備が整った状態なのでしょうか?何をもって100%なのかを設定しているのでしょうか?

チャンスの方からやってきてくれる幸運な方もいらっしゃるでしょうが、大抵のケースにおいてはチャンスは自分から掴みに行くものでしょう。
また、実際にやってみないと何がどれだけ必要で、不要なのか分からない以上、前もって準備して100%の状態でスタートするなんてことはできません。

アドラー心理学風に言うと、「起業したいとは言っているけれど、本当は起業するのが怖い。だから、しない理由が必要なので、そもそも準備をしないことを選択した」のかもしれません。

「いつかは企業したい」
いつかっていつでしょうか?チャンスがいずれ来るのでしょうか?今までチャンスが来たことがなかったのに?待っていたら、いつかチャンスは来るのでしょうか?

動いてみて初めて分かることもあるでしょう、動いてみて初めて理解できることもあるでしょう。
もちろん、失敗してもリカバリーができる範囲でという条件が付くかもしれませんが、とにかく行動することが必要なのではないかと思います。

 

商圏拡大

商圏拡大

小売店は立地が重要であることは間違いないでしょう。
立地と取扱商品で商圏が決まり、それによって売上の上限も決まるってくるからです。
取扱商品をニッチなものに特化することで商圏を広げるなんていうのがスタンダードな対策なのでしょうが、ちょっと違う事例を紹介したいと思います。

近所の中古バイク屋さんの事例です。
ネットの中古バイク検索サイトに登録するというのはどこでもやっていることですが、掲載車両を3台まで選ぶことができ、それを自宅まで持ってきて実物を見て比較できるというユニークなサービスを行っています(大阪府・和歌山県・奈良県に対応)。
遠くて買いに行けない、遠くて面倒という買い手の手間を省くと同時に、商圏を広げることができています。

車にバイクを積み込み、顧客の家まで持って行くという手間とガス代などの費用は別途発生しますが、利益がそれらを上回るなら販売の機会増加になる良い方法だと思います。

検索サイトで、検索する側が地域から絞り込んでいくと意味がないのですが、車種や値段など他の条件で絞り込みを行えば通常の商圏外の人にも訴求できます。

工夫次第で商圏を拡大できるという例として挙げました。
どんな業種、業態でも考える余地はまだまだあるのではないかと思います。

変化への対応

変化への対応

偉人の言葉で誤解されているものもいくつかあります。

この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。 最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。

ダーウィンが言ったとされていますが、実際にはこのようなことは言ってないそうです。
ですが、生物は環境の変化に対応をしなくてはいけないということは間違いはないでしょう。

さて、生物だけでなく、企業も県境の変化に対応しなくては生きていけないでしょう。
為替相場や、人口動態、業界動向、近隣地域への競合の参入など、大きなものから小さなものまで常に外部の環境は変わります。

にもかかわらず、環境が変わってしまって事業のやり方が時代に合わなくなっているために売上が下がっているのに、いつまでも変わらない。
消費者のライフスタイルが変わってきているのに、売っているものも売り方も変えない。
法律の変更による規制緩和で、競合の参入が予想されるにも関わらず、せいぜい飲みながら愚痴を言っているだけ、こういったことはよくあります。
愚痴を言いたい気持ちは分からなくはないですが、外部環境が変わるのならそれに適応するか、退場するかしかありません。

自分が別のステージに進むに当たって、新しい環境に対応しきれずに足踏みしているというパターンもあります。
新しい環境は必ずしも、進出者を迎え入れてくれるとは限りませんから、やはり新しい環境に適応する必要があります。
それができないのであれば、新しいステージに行くのを諦めるかしかありません。

環境変化に対応したくないからしない人よりも、変わらなくてはいけないとは分かっているけど変われない。
あるいは、進まなくてはいけないけど進めないという方が大半を占めるのではないでしょうか。

  • 行動力が無い。
  • 現在の環境(ぬるま湯のような環境が心地よく)から離れ難くて、新しいステージに進むことができない。
  • 変化に対する抵抗。

理由は色々あるでしょうが、変化に対応しなくてはいけないのであれば、理想の状態を思い描いたうえで少しずつでも変えていけば良いのではないかと思います。
変わった、変われたの体験が少しでもあれば、次の変化もできるのではないでしょうか。

広告効果の算定の仕方

広告効果の算定の仕方

広告はいくら費用をかければ、どれだけの効果が出るのかということは算出できません。
過去の例は提示できるでしょうが、過去の出来事が未来を保証しないことは言うまでもないでしょう。

広告費の半分が金の無駄使いに終わっている事はわかっている。
わからないのはどっちの半分が無駄なのかだ。

アメリカの実業家であるジョン・ワナメーカーの言葉ですが、ブランドイメージ向上や、顧客との関係性の向上の度合いなど、定性的な効果は確かに算出できない、あるいは算出しづらいでしょう。
ですが、広告にかけた費用に対して、どれだけ売上が上がらないといけないかは、損益分岐点計算を応用すればある程度算出できます(損益分岐点、損益分岐点の計算方法が分からなくても問題ありませんので、読み進めてください)。

分子に広告費、分母を限界利益率(売上高における変動費を除いた割合。限界利益率(%)=(売上高-変動費)÷売上高×100)として計算すると、広告費をペイできる売上高が分かります。
実際に数字を当てはめて考えてみましょう。

条件は以下の通りとします。

  • 原価率が3割の飲食店(限界利益率は70%)。
  • 配布用のチラシに100,000円の費用をかけた。
  • 家族が配布するので人件費の増加は無い。
  • 他の費用の増加も無い。

以上の条件だと、100,000を0.7で割れば142,857.1…つまり、広告をかけなかった時よりも42,858円の売上がアップしないと費用対効果が悪いという判断ができます。

限界利益率さえ予め算出しておけば、小学生でも可能なレベルの計算です。
これを効果があった、なかったという判断の目安にしていただければ幸いです。

満腹時のごちそう

満腹時のごちそう

どんな料理でも満腹の時には食べたくありません。
それは料理に問題があるのではなく、食べる側の都合、あるいは出す側のタイミングの問題です。

さて、起業したら顧客を獲得していかなくてはいけないので、営業活動をやっていく必要があります。
どのような形での営業活動であれ、営業すれば売れるという訳にもいかないのは言うまでもないでしょう。
そして、商品やサービスが良くても相手側の都合やタイミングの問題などで売れないことはいくらでもあるはずです。

営業経験のある方はこの辺りの機微を良くお分かりなのだと思いますが、営業経験がないと営業活動に対する結果や成果を高く見込みすぎる、つまり商品・サービスの良さが伝われば売れるはずだと一方的に思いがちなのではないでしょうか。

相手の都合で商品・サービスが売れなかった時に、売れなかった原因を商品やサービスそのものに求めてしまうと、出てこれない袋小路に迷い込むことにもなりかねません。

商品・サービスが売れない原因というのは必ず存在します。
同じ商品・サービスでも条件が変わったら売れたり、売れなかったりもするので、売れなかった理由の見極めは特に気を付けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

給料が高いか低いかを決めるのは誰か?

給料が高いか低いかを決めるのは誰か?

従業員は労働力を提供し、経営者は給料を支払います。
従業員は労働力に見合った給料が欲しいわけですが、労働力に見合わない給料だったら、モチベーションが下がりますし、挙句の果てに転職ということもありえます。

さて、労働力と給料のバランスが取れているかどうかは誰が決めるのでしょうか?
それは、あくまでも従業員の側です。

経営者側にも言い分はあるでしょう。
厚生年金や健康保険などの社会保健の内の半分は会社が支払っているし、一人を雇用すると給料の3倍程度の費用がかかると言われています。
ですから、それに見合った売上を上げてもらう必要があります。
では、従業員に、「手取りで○○万円に見合った売上は×××万円だ」とか、「現在の給与水準からアップするなら、売上を最低△△△万円アップしろ」等々、目標を伝えていますか?

従業員とは毎月決まった日に決まった額の給料が銀行口座に振り込まれるものだと思っています。
それは個人の能力の問題ではなく、また企業の大小を問わず、立場が従業員だからです。
ですから、そういったことは言わなければ伝わりませんし、実際に経営者、事業主を経験した従業員でもない限り、頭では分かっていても…というレベルにしかなりません。

同じ仕事をするなら給料は高い方が良い。
高い給料をもらうためには、それに見合った売上を上げなければいけない。
そのためには会社が活躍できる環境を作らなければいけませんし、売上の目安を伝えないと、従業員の給料に対する不満は消えません(伝えると消えるか、と言われると必ずしもそうだとは言えませんが)。
上記したようにモチベーションが下がり、挙句に転職…これでは企業側も従業員側も不幸です。

繰り返しになりますが、大事なことなのでもう一度書きます。
給料を決めるのは経営者側ですが、それに対して高いか低いかを決めるのは従業員側です。

従業員側の意思決定に介在することはできませんが、「手取りで○○万円貰うためには、売上を×××万円上げる必要がある」と説明し、理解を求めることは多少なりともできるでしょう。
業種業態や職務内容によっては、売上目標などの定量的な基準の設定が難しいケースもあるでしょうし、理解してもらえるとも限りません。
ですが、言わなければおそらくずっと理解してもらえないままで、不満が貯まることはあっても解消するのはなかなか期待できないと思いますが、いかがでしょうか。

意思を持った経営資源

意思を持った経営資源

月末に近づくにつれて、(売上が思うように上がらないので)機嫌が悪くなる、朝から機嫌が悪くて従業員に当たり散らす。
こうやって文字で書いてしまうと当たり前なのですが、こんな社長と一緒に働きたくないですよね。

前出の社長は、冗談なのか、単に性格に問題があるのかは分かりかねるのですが、帰りが遅くなった営業部員に「もう帰ってこないかと思った」なんて言ったりもしていました。

かつて従業員に金銭を盗まれたこともあるそうです。
もちろんそれは犯罪ですし、その従業員をかばうことはできませんが、そういったこともありうるなという感じの社長でした。
社長が嫌で人が定着しないのかどうかは分かりませんが、実際に従業員の入れ替わりが激しい会社でした。

さて、今日の経営戦略における重要な考え方の一つで、イギリスの経済学者のエディス・ペンローズが提唱した経営資源というものがあります。
一般的に「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を指しますが、他のものが入ることもあります。
経営資源を活用して経営を行う訳ですから、それらの活用如何で企業の競争力や成長力が決まるとも言えます。

その経営資源の内の「ヒト」…つまり従業員は、設備や金と違ってそれぞれに意思があり、感情があるので、活用の仕方次第で大きなプラスにも、プラスマイナスゼロにも、大きなマイナスにもなりえます。
加えて、企業側ではなく資源側の意思で減少する唯一の経営資源でもあります。

従業員の退職には従業員側の都合や理由によるものと、企業側に起因するものとがあります。
従業員側の都合や理由での退職は仕方がないかもしれませんが、

  • 企業とのビジョンの共有
  • 企業の将来性
  • 上司・先輩を見て、悪い将来イメージを描く
  • 人間関係
  • 仕事そのもの
  • 労働環境
  • 評価面
  • 待遇面

…etc.

上記のような、退職理由が会社側に起因する場合は、ある程度コントロールできるはずです。

従業員が定着しないことに悩まれているという話はよく耳にしますが、従業員が定着したくないような環境を自ら作っていないか、一度見直されてはいかがでしょうか。

そもそもゴールはどこですか?

まずゴールはどこですか?

Facebookで集客するにはどうしたら良いですか、SEOに効果のある方法、PPC広告の効果的な広告打ち方…等々、人から尋ねられることがあります。
私にはそこらの最新の細かい知識もないのですが、そもそも論として、そこではありません。

「どこをゴールに設定しているのですか?」と聞き返すと、全員それを考えていなかったという返事が返ってきます。

ツールはなんであれ、それらは目的を達成するための手段です。
ですから、まず目標を設定しないと、何を、どれだけ、どう使う、ということにならないはずです。

Webサイトからの問い合わせを増やすためにはWebサイトをどうしたら良いですか?
の前に、
現在何件の問い合わせを、何件にしたいのか?
があって、その前に、
Webサイト(インターネット)をどう活用していくべきか?
があって、その前に、
現在いくらの売上を、いくらにしたいのか?
があって、
その売上は事業計画を立てたからこその根拠のはずです。

本来の考え方に沿うように逆にたどると、
「事業計画」があって、
それに沿った「売上の目標」があって、
それを達成するために「Webサイト(インターネット)をどのように活用してくべきか」があって、
そのゴール(KPI)として、「現在何件の問い合わせを、何件にしたいのか?」があって、
そのためには「Webサイトはどうしたら良いか」ということになります。

事業計画からスタートしましたが、その前に事業としての戦略があり、その前に企業の戦略があり、その前にビジョンがあり、その前には理念がないといけません。

上から下まで整合性が取れていて、全体最適化がなされているというのが企業として理想、また業務のあり方として理想です。
一部(しかも一番末端の部分だけ)最適化したとしても、その効果は限定的でしょう。

Webを例として挙げましたが、上から下まで整合性を取るとるというのは何事において言えることですので、「具体的にはどうすれば?」の前に、ゴールからそこに至るまでの全てのことを一つ一つクリアにする必要があります。
それらをクリアにすることで、どうすれば良いのかというのが見えてくるのではないでしょうか。

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