適応力

適応力

偉人の言葉で誤解されているものもいくつかあります。

この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。 最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。

ダーウィンが言ったとされていますが、実際にはこのようなことは言ってないそうです。
それはそれとして、生物は環境の変化に対応をしなくてはいけないということは間違いはないでしょう。

環境の変化も大きなものから、小さなものまでありますが、小さなものでは季節に合わせた気温の変化があります。
日本では季節によって気温が変わるために、服装もそれに合わせて薄着になったり、厚着になります。
季節外れの恰好をしていたら、おかしいのは改めて指摘することではありません。

さて、生物だけでなく、企業も環境の変化に対応しなくては生きていけないでしょう。
為替相場や、人口動態、業界動向、近隣地域への競合の参入など、大きなものから小さなものまで常に外部の環境は変わります。

にもかかわらず、環境が変わってしまって事業のやり方が時代に合わなくなっているために売上が下がっているのに、いつまでも変わらない。
消費者のライフスタイルが変わってきているのに、売っているものも売り方も変えない。
法律の変更による規制緩和で、競合の参入が予想されるにも関わらず、せいぜい飲みながら愚痴を言っているだけ、こういったことはよくあります。

論語にも

子曰く、「君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む」

というのがあります。
「君子は何事でも(失敗の)原因を自分に求めて反省を加えるが、小人は何でも人のせいにする。」という意味です。
愚痴を言いたい気持ちは分からなくはないですが、外部環境が変わるのならそれに適応するか、退場するかしかありません。

変わるにはエネルギーが必要です。
ですが、環境の変化に対応できるように変わることができるとしたら、それは新たなステップに進んだという証で、新たな環境でさらなる飛躍をするための準備ができたとも言えるのではないでしょうか。

古典に学ぶ(貝原益軒)

古典に学ぶ(貝原益軒)

貝原益軒は江戸時代の本草学者、儒学者で、非常に含蓄のある言葉を残しています。
ビジネスにも大いに役立つと思いますので、いくつかご紹介したいと思います。

知っていてもそれを行動に移さないのであれば、知らない者となんらかわりは無い。

知識を増やすという行為は、前に進んでいる気がします。
「知識」と書きましたが、この場合は英語でいうところのinformationであって、intelligenceとは異なります。
つまり、ただ知っているだけで経験としてはゼロという状態です。

そこに行動することにより経験し、フィードバックすることでinformation同士が有機的に繋がってintelligenceになるというイメージでしょうか。

志を立てることは大にして高くすべし。
小にして低ければ小成に安んじて成就しがたし。
天下第一等の人とならんと平生志すべし。

競合他社との競争は避けるのが原則です。
ですが、競争が避けられない場合は、より強い方が勝ち残りやすくなるのは事実でしょう。

自社の前には誰もおらず、自社の後ろにも誰もいない状態が理想だと考えています。
それも天下第一等と考えられないでしょうか。

喜びの時も怒りも時も何も行動をしてはいけない。
喜びもやみ、怒りもやみ、平常心を取り戻した後に事を行なうようにしなさい。

感情としてプラスの時もマイナスの時も、平常ではないのだから判断を誤るということでしょうか?
確かに、普段通りにしたいのであれば、精神状態が良い状態のときも普段通りのことが出来な可能性がありますね。

長く残っている言葉は、長く残っているだけの理由があると思います。
温故知新ということで貝原益軒の言葉から経営を考えてみました。

事象

事象

コップの中に水が半分入っています。
これを「半分しかない」と捉えるか、「まだ半分ある」と捉えるかで、その人の志向の傾向を見るというものがありますが、「コップの中に半分水が入っている」という事象にスポットを当てて考えてみてください。

経営において重要なことは、「コップの中に半分水が入っている」という事象から何を考えるかではないでしょうか。
例えば

  • なぜコップの中の水は半分なのか?
  • 元々はどの程度入っていたのか?
  • フルに入れたかったが、充分な水がなかったのか?
  • そもそも半分で十分なのか?
  • フルに入っていたが、半分に減ったのか?
  • 減ったのだとしたら、何に使ったのか?
  • 半分の状態にしておくとこで、どういった影響を受けるのか?

…等々、色々ありますが、一つの事象からある程度の因果をたどってみることは可能だと思います。

法律が変わる、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?
自社の所属する業界が自由化する、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?
新しい制度ができる、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?

外部の状況が変わるという事象を変えることはできないので、経営者としてはそれに対応しなくてはいけません。
だとすれば、その事象が起こった(起こる)理由と、その結果を考えることで早めの対応を行いようにすれば、機会を掴みやすくなり、ピンチをしのぎやすくなると思いますが、いかがでしょうか?

言い訳

以前書いた記事を違う角度からリライトしてみました。

言い訳

ピアノの弾き方を口頭で説明されても、ピアノが弾けるようにはなりません。
説明する人が世界トップクラスのピアニストであっても、子供の時にピアノ習ってたという一般人であっても同じです。
自分で手を動かさない限り、ピアノが弾けるようにはなりません。

さて、知識に対して時間や金の投資は必要です。
自分のリソースが増えなければ、できることも増えません。
そうなると新たな成果を上げることも難しくなってしますかもしれません。

ですが、知識を得るための投資は、あくまでも使用を前提とした知識に限られます。
本を読む、あるいはセミナーに参加してみる、そこで得た知識を実際に使用しないのであれば、単なる知識のコレクションであって、言い換えたらただの趣味だということになります。

確かに新たな知識を身につけると前に進んだ気はします。
ですが、知的好奇心は満たされるものの、一歩も前進はしていないはずです。

一番の問題は、行動に移さないといけないことがあるのに、知識の取得という行為を、行動を先延ばしにする言い訳にしていないかということです。

いかがでしょうか、自戒の意味もあって書いた記事ですが、一般にも通じる話ではないでしょうか。

不良在庫

不良在庫

売れない商品は仕入れたくないのは当然です。
仕入れの分の費用、在庫管理費用などが無駄になりますからね。

形のあるものは不良在庫になっているのが分かりやすいのですが、形のない不良在庫もあります。
しかも、この不良在庫を自ら喜んで貯める方も珍しくありません。

何のことかというと、知識のことです。

知識はあった方が良いだろうと思われる方も多いでしょうが、ここで言う知識とはビジネスマンが「今必要ではないものの、今後役に立つかもしれない」と本人が思っている、使用を前提としていない知識です。

興味を引かれる内容のセミナーに行きました。
面白そうな内容の本を買いました。
時間と費用を支払って、使わない知識と知識が増えた満足感を得ましたでは意味がありません。

知識を仕入れるなということでは決してありません。
むしろ知識はどんどん仕入れるべきでしょう。
ですが、それはあくまでも使用を前提としたものです。

知識は増えても売上は増えない。
知識は増えても利益は増えない。
知識は増えても収入は増えない。

そうなってしまっていたら、その知識はまさに不良在庫と言えるでしょう。
費用を払ったのに貸借対照表には乗らない不良在庫です。

実行や経験と結びつかない知識を増やすことそのものが、時間と費用の浪費になっていないかと自戒の念をこめる意味も含めて書いてみました。

止まっている車の速度

止まっている車の速度

ギアをニュートラルにして、サイドブレーキを引いて止まっている車の速度は何km/hでしょうか?
言うまでもなく0km/hです。

上の写真はランボルギーニのアヴェンタドールですが、6.5LのV型12気筒エンジンで、時速350km/h出るそうです。
ですが、止まっているときのスピードは0km/hで、ナメクジの方がよっぽど早いです。

さて、中小企業診断士の試験勉強のサポートをさせていただいていて感じることがあります。
なかなか結果が出せない方は、ダメだったやり方、ダメな点を改善しないで、それらをずっと繰り返しているということです。

例えるなら、引いてもあかないドアをいつまでも引き続けているみたいなものです。
サルならいざしらず、人間ならドアが引いて開かなかったら、押すなり、スライドさせるなり、他の方法を試してみたり、どうやったら開くのかを考えるはずです。

ダメだったやり方を改善しないで、ずっと繰り返している人はサル並みの知能なのでしょうか?
もちろん、そんな訳がありません。

ここで、最初の止まっている車の話に戻ります。
アクセルを踏めば350km/h出る車も、ギアをニュートラルにしてサイドブレーキを引いていれば時速0km/hです。
同じように上手くいかなかったことに対して、解決策を脳みそを使って考えなければ、サル並みに引いてもあかないドアを引き続けるようなことをやってしまうのではないでしょうか。

これは持論ですが、「どうしたら良いのか、どうしたら良いのか、どうしたら…」というのは考えているのではありません。
単に思いつこうとしているだけだと思っています。
「考える」というのは「抽象化⇔具体化」「分解する」「比較する」ことなのかなと個人的には思っています。

それはともかく、中小企業診断士の試験勉強だろうが、ビジネスだろうが、その他何においても、「考える」ことをしなければ、いくら知能が高い人でもその知能を生かせていないので、問題の解決はできないと言えるのではないでしょうか。

石に腹が立つ

同業者として、これはないと思うこと

※専門用語がもりもり出てきますので、分からない人は前半を飛ばしてください。

Webサイトのデザインを行う際、Adobe Photoshopを使用してデザインを行い、それを基にパーツを切り出してコーディング(大雑把に言うとWebページとしてWebブラウザで見れるようにすること)をするのが一般的なWeb制作のフローだと思います。

他社のデザイナーの作成したpsdファイルを見る機会があります。
やり方は人それぞれですし、レイヤー構成もそれぞれのやり方があると思うのですが、それを抜きにしても同業者としてこれはないな~と大抵思います。

ないな~というpsdファイルも色々種類があって、

  • デザインそのものが雑(スマホサイトはRetinaのような高解像度ディスプレイのために実際の2倍のサイズで作成するのですが、1pxの線があるなど)
  • レイヤー構成が雑(フォルダで整理されていない、レイヤー名をちゃんとつけていない、などの理由から、作った本人も後から修正等がしづらいだろうと思われるようなもの)
  • 意図がよく分からない、逆に面倒くさそう(レイヤー効果のカラーオーバーレイで普通のテキストの色を変える、など)
  • 他者が見る、このファイルを使用して、続きの作業を行うという意識がない(フォルダの中身やレイヤー効果などが開きっぱなし、など)

ないな~というレイヤーも様々です。

これより後半になります。

さて、先ほどの例にしても、手を抜いているもの、いい加減なものもあるでしょうが、必ずしも全てがそうだとは言い切れないとも思っています。
今までのやり方でやってきたことを省みる機会が無かっただけなんだと思います。

自分のスキル以上の仕事はできないので、仕事そのものの出来栄えは仕方がないにしても、それ以外の部分で同業者からダメを出されるようでは、何も良いところがありませんね。
他者の仕事を目にする機会があって、自分の仕事にフィードバックできる環境にいる方は良いのですが、自分の仕事は自分で意識して省みるようにしないといけないと、他山の石にする機会だと前向きに考えるようにします。
実際に仕事してる時は、この石ころに腹が立ったりしますけど。

フォーカス

フォーカス

本日は中小企業診断士試験の2次試験の合格発表日でした。
合格された皆さん、おめでとうございます。

中小企業診断士試験の、特に2次試験は少ない回数ですんなり合格する方もいらっしゃれば、なかなか結果の出ない方もいらっしゃいます。
両者に色々と異なる点はあるのでしょうが、一つにフォーカスが当たっているところが違うと感じることがあります。
これは試験問題に対して、勉強に対してだけではなく、普段からそうなんだと思います。
緊張したり、制限がある中で普段通りにいかないのが試験ですから、普段できていないことが試験でできる訳がありませんね。

さて、フォーカスという点に話を戻しますが、これがずれると物事の評価が全く正反対になってしまうことがあります。

ネズミが大量に出て困るから猫を飼おうとなった場合(そういう状況があるのかは分かりませんけど)、鄧小平の言うように白い猫であれ黒い猫であれ、鼠を捕るのが良い猫だということになるはずです。

  1. 見た目はかわいくないけど、ネズミをバリバリ捕る猫
  2. 非常にかわいいけど、ネズミを全然取らない猫

見た目とネズミを捕る撮らないという点がそれぞれ正反対です。
本来の意図からすると、1の方が評価が上ということになります。
ですが、見た目にフォーカスが当たっていると、役に立たない猫の方が評価が上になってしまいます。
「でも、見た目も大事…」と言い出すと、プライオリティそのものがおかしかったり、論理的にものを考えられなかったりという話になってしまいますが、本筋から外れますので割愛します。

フォーカスがずれているというのは、もちろん中小企業診断士試験だけの話ではありません

  1. 費用は低いが、売上への影響は微細、あるいは効果がないかもしれない。
  2. 費用はかかるが、その分の売上向上が見込める。

なんて話があったとして、費用の方にフォーカスが当たってしまうと1を選択してしまうことになります。
費用に着目してしまったがために、その費用が無駄になるかもしれないというパラドックスに陥ってしまうということです。

最初はある目的をもってスタートしたことが、本来のゴールがどこかに行ってしまう、途中から近視眼的になる、手段と目的が入れ替わる。
こういったことってビジネス上でも度々ありませんか?

ゴールを見据えた上で、常にフォーカスの当たっているところを意識して、軌道がずれないようにする。
そういったことができる企業は外部環境の変化に対応できるし、成長もできるのでしょう。
そして、そういったことが試験勉強においてちゃんとできていた方は、中小企業診断士試験で合格を勝ち得たのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、合格おめでとうございます。

フォーカスの当たっているポイントについての文章ですが、我ながら視点がブレていると思いました。

意見を無視する

意見を無視する

本日は平成27年度中小企業診断士2次試験の筆記試験の合格発表でした。
努力が実られた方、おめでとうございます。
残念だった方、お疲れ様でした。
試験までの努力は決して無駄ではないと思いますので、来年は是非とも合格を勝ち取ってください。

さて、診断士試験の2次試験では新しい商品やサービスを考えるという問題が出題されることがあります。
試験では、出題者の手間や試験時間の関係上、それを考えて終わりなのは仕方がありませんが、実際は考えただけで終わりではないはずです。

サプライヤー(商品・サービスの提供側)が提供するベネフィットと市場のニーズが交差した上で、サプライヤーが設定したい価格と市場・顧客が払っても良いと思う金額の折り合いがついたところが実際の金額になると思います。
その上で、売れて利益を上げられなければ、そもそも商品・サービスになりえません。

そこまで設定してようやくスタートなのか、実際に売れてからがスタートなのか、はたまた別の地点なのか、考え方や商品・サービスによって異なるでしょうが、考えただけで終わりでないことは間違いありません。

新商品・サービスを考えている頭の中では上手くいっても、実際はどうなるのか分かりません。
ですが、世の中に完璧な商品が無いように、非の打ち所がないとダメなのかと言われるとそれはそれで違うと思います。

この辺りは、実際に開発して、売ってみないと肌感覚として分からないのかなと感じました。
特に、経験はないものの、知識がある人だと原理原則や理想論と比較してしまいますので、経験のない人の意見をどこまで参考にするか考えた上で取捨選択する必要があります。

しかし、経験があると無条件で参考になるとも言い切れないでしょう。
例えば中小企業診断士2次試験の合格者は、ほぼ全員が1度しか合格したことがありません。
ですから、どうすれば合格できるのかは人によって言うことがまちまちだったりします。
意見の内容よりもその根拠から考えて取捨選択をしたり、共通点を見い出したりする必要がありそうです。

顧客の言うことをそのまま真に受けても、良い(売れる)商品・サービスは作れないように、意見も時には無視することも必要かなとも思っていますが、いかがでしょうか。

イノベーションについて思うこと

イノベーションは必要か?

言葉だけが独り歩きしていて、「なんかすごい!」「イノベーションできたら儲かる!」みたいな感じで使われているのを散見して、思ったことをいくつか書きます。

論点1

この記事を書いているのは2015年、平成27年です。
時代区分で言えば現代になる訳ですが、古代(古代の定義も色々あるのでそこには触れません)に分類される時代の人が「俺たちは古代人だぜ」とは思っていなかったでしょうし、中世(中世の定義も人によって異なるのでそこには触れません)に分類される時代の人も当時は現代に生きていた訳です。
今から数百年後には、現代も現代以外の時代区分をされているでしょう。

さて、イノベーションを起こすという言い方に非常に違和感を感じています。
なぜなら、イノベーションというものは結果から見ての評価だと思っているからです。

新しい商品・サービスをリリースして、それが受け入れられた。
そうなって、後々にイノベーションだったという評価をされるものだと思います。
例に挙げた、現代も時代が進めば何かしらの名前が付けられるのと同じです。

論点2

イノベーションを起こすという表現にも、後からの評価であるという視点以外の違和感を感じます。

プロダクトイノベーション・プロセスイノベーション両方に言えることですが、イノベーションを起こさなければ利益が出ない訳ではないし、起こせば必ず利益が出る訳ではありません。
新しい切り口を打ち出さないと利益が出ないのか?新機軸を打ち出したら必ず利益が出るのか?と言い換えてみたら分かると思います。

「イノベーティブでもなんでもないものの利益が出る商品」と「イノベーティブだが売れない商品」であれば、前者の方が良い訳です。
つまり、イノベーティブであるかどうかは目的ではありません。
あくまでも、イノベーションは手段だということですので、「イノベーションを起こす」という表現にも違和感を感じる訳です。

論点3

「イノベーション」という言葉の程度に関してです。
意味はともかく、程度に関しては人によって幅がありそうです。
「革新的に変わる」「今までに全く存在しないもの」というような意味ではなく、「目先を変える」「ユニーク」程度の意味なら、論点2の文章は「すみません取り下げさせていただきます」ということになります。

以上、イノベーションについて思ったことを書き連ねました。

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