IT関連の企業がすぐに倒産する理由

帝国データバンクの調査によりますと、2012年(このブログを書いている時点での最新情報)のIT関連企業(システム・ソフトウエア開発業者)の倒産件数は過去最悪だそうです。
同業、あるいは隣接している業界の方なら、IT関連企業の倒産を耳にする、あるいは実際に勤めていた会社が倒産なんて経験は珍しくないことだと思います。

ものを作る人が陥りがちな、ニーズを考えずにシーズ思考でのみ考えた商品・サービスの提供、資本が少なくて済むので元々企業体力が弱い企業が多い、そもそも技術のコモディティ化が激しくて差別化ができていないなど、もちろん他にも理由はありますが、結局それはトップマネジメントが、トップマネジメントに必要なスキルに欠けているからだと考えています。

ハーバード大学教授だったロバート・カッツという人が、トップ・ミドル・ロウワーマネジメントそれぞれに必要なスキルを図にしたカッツモデルをご覧ください(下図)。

カッツモデル

3つのスキルはそれぞれ以下のようになっています。

  1. テクニカルスキル:業務を遂行する上で必要な知識やスキル。業務遂行能力。
  2. ヒューマンスキル:仕事上の人間関係を築くスキル。対人関係能力。
  3. コンセプチュアルスキル:論理的思考力、創造的問題解決力および統合的計画力等。概念化能力。

論理的思考力や問題解決力は誰もが必要なスキルですが、トップマネジメントはそれらを経営レベル、経営戦略レベルで行うことが求められているということで間違いないでしょう。

  • クライアントの業務におけるボトルネックは何なのか、業務全体を見て判断できるか?
  • クライアントも気付いていない問題点を発見することができるか?
  • クライアントの課題を達成することができるか?
  • 市場のニーズを汲み取ることができるか?
  • それを踏まえて新しいサービスを立案することができるか?
  • 技術のコモディティ化が激しい中で、どうやったら差別化できるか?

そういった市場の状況判断、そこから企業戦略の策定、それを行うための組織づくり、実行統制、サービス作成のための市場のセグメントやターゲティング、マーケティングマネジメント…etc。
そういった視点は現場レベルのマネジメントをやっているロウワーマネジメントにはあまり求められないかもしれませんが、IT業界だと、スキルがあればやっていける、現在いくつかクライアントになってくれるところがあるから独立する、なんていう人を見かけます。

さて、独立したての料理人がいたとします。
店を出した場所が悪い、料理の種類と値段が出店場所に合っていない、そんな店でも料理が美味しければ繁盛する、現場で人を使うのが上手ければやっていける、そんな風に考えている人はいないでしょう。

スキルがあればやっていける、独立するなんていうのは、結局のところ、トップマネジメントに必要なスキル、能力、および視点などを含めたコンセプチュアルスキルの欠如ではないでしょうか(実際の作業を自分ができなくても、料金を払って人にできる人に依頼すれば済む話です)。
それが、IT関連の企業がすぐに倒産する理由だと考えています。

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