ブログBlog

「デザイン」の3つの意味

経済産業省が発表した「デザイン政策ハンドブック2018」によると、デザイン政策を推進する上で重要な3つの柱として、経営、教育、国際化を挙げています。
その内の経営においては、以下のように述べています。

日本企業の相対的競争力が低下し、国内では少子化の進行による市場の縮小が予想される中で、個々の企業が世界市場の中で独自のポジショニングを築くことが重要。そのためには、経営者がデザインへの投資が効果的であることを認識し、デザインを経営の中核で活用していくことが不可欠。

デザイン政策ハンドブック2018

デザイン政策ハンドブック2018では、明確に「デザイン」という言葉を定義していませんが、「デザイン」という単語を以下のように意匠に留まらないものとして捉えています。

◎現在では、デザインに対する考え方が変化し、従来の物、ビジュアル、空間・環境といった視覚で捉えることができる専門のデザイン領域に加えて、領域横断型のデザインや、システムや関係性といった視覚では捉えきれないデザイン領域へ拡大していると考えることができ、この傾向は今後更に進展していくと考えられます。
◎デザインプロセスも、視覚化、具体化、製造といった「作る」要素だけではなく、気づく(理解、観察、調査)、考える(アイデア、発想)、伝える(販売、広告、営業)といった要素を含むものであると定義することができます。

デザイン政策ハンドブック2018

その必要性の高まりからデザインマネジメント(経営)に関する書籍等も増えてきました。

こういった国の発表やデザインマネジメント(経営)に関する書籍の両方に共通して言えることですが、「デザイン」という言葉が意匠を指していたり他のものを指していたりと、その時々で異なる意味として混同して使っています。

確かにデザインという言葉には意匠だけでなく、設計や計画といった意味を持ちます。
実際には意匠という狭義でのみとらえている人が多いかもしれません。

設計や計画という言葉で説明してはいけないのでしょうか?
「デザイン」を意匠という意味で使用したら、組織のデザインではなく、組織の設計ではいけないのでしょうか?
同様に、事業のデザインではなく、事業の計画では差し障りがあるのでしょうか?

「デザイン」という言葉に対する認識を正したいというのは理解できます。
しかし、一つの文章、一つの書籍の中で何の説明もなしに「デザイン」という単語を「意匠」「設計」「計画」という意味で使うことは、読み手に負担を強いるとまでは言わなくても、単に読みづらい文章になってしまっています。

それが「デザイン」に対する理解を深めるという点で、逆効果になっていないだろうか、そんな風にも思えます。