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トヨタとレクサスと日本企業の課題

レクサスはご存知の通り、トヨタ自動車が展開しているハイブランドで、今年で30周年を迎えます。
トヨタとレクサスを例に、日本の企業の課題について書きたいと思います。

レクサス誕生のきっかけ

アメリカ国内での高級車市場に進出するに当たり、トヨタは壊れないけれども、あくまでも大衆車であると認識されていました。
そこで高品質で壊れにくいハイブランドとしてレクサスが生まれたということです。

さて、これだけの文章に日本企業の課題が明確に表れています。
どこだかお分かりになるでしょうか?

壊れない、つまり性能が悪い訳ではないのに安く販売されているということです。

日本企業の課題①

ハイスペックなものや機能が豊富なものを開発するためには、性能や機能に見合った開発期間と開発コストがかかります。
同様に、部材も性能や機能に見合ったものでなくてはならないでしょう。
その部材の開発も、性能や機能に見合った開発期間と開発コストがかかります。

商品を販売して利益を得るためには、開発や生産にかかったコストを価格に転嫁する必要があります。
ハイスペックな製品や多機能な製品の場合は、そうでないものと比較して、必然的に価格が高くなります。
しかし、トヨタは他の国のブランドと比較して、壊れない信頼性が高い車であったにも関わらず、安い価格で売っていたということです。

安価でないと売れなかったのか、あるいは安価に売る戦略だったのかは定かではありませんが、製品の機能的価値と価格が比例していないということです。
前者であれば、物を作ることは得意でも、適正な価格で売ることができないということですので、製品の機能的価値に見合った価格で売れるようにならないといけないというのが日本企業の課題と言えます。

日本企業の課題②

安価に売る戦略だったとしたら、問題はなかったと言えるのでしょうか?

製品の生産して販売する上で、誰がコストを負担しているのかという点を考えてみると判断ができると思われます。

コストがかかったものを高く売るということは、顧客が負担しているということです。
顧客は製品による付加価値の受益者ですから、コストの負担をする対象としては最も適切です。

しかし、安価に売るということは提供側がコストを負担しているということです。
大きな企業の場合は下請けにコストの負担をさせているケースも多いでしょう。

つまり、安価に売る戦略であったとしても、提供側のサプライチェーンのいずれかにおいて、コスト負担を行い(強いられ)、本来得るはずの利益を得られていないのであれば、それは理想の状態ではないということです。
適切な価格で販売し、本来ならコストを負担しなくても良い相手に負担やリスクを押し付けている状態を止めるというのが日本企業の課題と言えます。

結論

機能的価値が高いけれども安価であることよりも、高いくせにすぐに壊れる製品の方が良いという訳ではありません。
しかし、適切な価格で販売することができなければ、提供側の誰かがそのコストを負担することになります。

かつて大手メーカーは、適正に売ることではなく、安価に売り続けるために中国に生産拠点を移した結果、国内の製造業が空洞化してしまいました。

レクサスの部材を製造しているメーカーは、トヨタの車の部材よりも利益が多き野かどうかは存じ上げませんが、メーカーが適正な価格で売る能力や意思がないのであれば、今後も状況が良くなることはないでしょう。

もしメーカーが変わらないのであれば、下請け企業が変わらなくてはいけません。
そのための、意思と決断をしないといつまでもババ抜きのババを押し付けられることになります。