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価格勝負に陥らないために

提供する製品やサービスの機能的価値を高めて競合に勝とうとすると、結局は価格勝負になってしまいます。
価格勝負に陥ると、開発や製造、付加価値の提供を行うために投入したリソースに対して、リターンが小さくなってしまいます。
つまり、頑張っても儲からなくなってしまうということです。
では、中小企業の経営において、価格勝負に陥らないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。

価値を付与する条件

一橋大学の延岡健太郎教授は自著において、意味的価値が付与された製品は価格水準が高いと述べています(延岡,2011)。
このように機能的価値を高めることで競合に勝つのではないとすると、機能的価値以外の価値を付与すると考えるのが普通かと思います。

しかし、機能以外の価値を付与することでより高い価格を払う市場であることが前提条件となります。
価格を上げにくい市場であれば、機能以外の価値を付与したとしても、価格が高くなったことで顧客から選ばれなくなる可能性が高くなるだけでしょう。

そのため、新たに付与する価値に対して高い価格を支払う事業ドメインの再設定が必要です。

ドメインの設定

では、どのような事業ドメインが妥当でしょうか。
高い付加価値を提供することで、より高い対価を払うということ以外の条件はどのようなものでしょうか。

機能的価値以外の価値を付与できる事業者が、もし自社以外にもたくさんいるのであれば容易に模倣ができます。
その結果コモディティ化してしまい、価格勝負になってしまうことが予想されます。
したがって、競合がいない(あるいは、極めて少ない)ことも条件となるでしょう。

競合がいない(あるいは極めて少ない)市場であるということは、他社には模倣できないユニークな付加価値を提供する、あるいはターゲットを絞るということが考えられます。

前者の場合は、ユニークな付加価値を提供できるだけのリソースが必要です。
当然ながら、付加価値を提供し続けることができるだけのリソースが必要であり、ユニークであることも一時的であっては意味がありません。
そのため、従業員の属人的な能力に基づいた付加価値ではなく、組織能力によるものの方が企業にとっては維持しやすく、望ましいと言えるでしょう。

後者の場合は、適切な絞り込みが必要になります。
売上や今後の成長性が期待できるのであれば、競合が参入する可能性も高まります。
先行優位性を生かして市場シェアを獲得することができるのか、参入障壁を築くことができるのかなど、収益性が維持できるのかという点を考慮する必要があるでしょう。

結論

今は最先端の技術であったとしても、時間がたてば一般的な技術になってしまいます。
つまり、技術は時間の経過と共に広がっていき、コモディティ化してしまうと同時に、価値も減少しやすいということです。

技術力を高めること自体は必要ですが、せっかくの技術力にも基づいた製品・サービスによる収益性を維持するためにも、よりユニーク、より高い付加価値を提供するために、製品・サービスに対して他の価値を付与する、あるいは他の価値を掛け合わせることを念頭におかれてはいかがでしょうか。