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差異や付加価値を伝える

差別化とは提供している商品・サービスや付加価値が競合と異なるだけでは達成しません。
ポーター(1998)は、競合他社を上回る業績は、競合他社の間に維持可能な差異を確立できたときに始めて達成されると述べていますが、競合との違いや価値が、ステークホルダーに正しく伝わって、初めて差別化が達成します。
Webサイトの文章で、カタログで、または営業担当者が口頭で違いを説明するだけで良いのでしょうか。

価値を伝える手段

企業は、社会・市場・顧客に対して自社の情報や独自性、イメージなどを伝えるためメッセージの発信を行います。
これは消費者向け製品・サービスを取り扱っている企業に限らず、事業者向け製品・サービスを取り扱っている企業も同様です。

その際に、用途に合わせて様々な手段を取ります。
会社案内や名刺、パンフレットのように紙に印刷する場合もあれば、Webサイトのように電子的手段もあります。
また、付加価値を提供するために具現化したものが製品と言えるでしょう。
これらは全て企業と社会・市場との接点です。

その他には顧客に応対する従業員も顧客との接点であることは言うまでもありません。
従業員に対する理念や戦略の周知、組織の体制や仕組みづくりも差別化を図るためには必要になります(従業員や組織に関することは本記事のテーマからは外れるために割愛します)。

価値の伝達手段

提供価値との適合

さて、社会・市場・顧客との接点において、企業は提供したい価値を体現し、購買を促すために五感の内のいずれか、あるいは複数に訴求を行います。
例えば、店舗ではBGMを流すことで聴覚に対して、店舗の外装や内装、什器や照明によって顧客の視覚に対して訴求を行っています。
上記した企業と外部との接点となる要素は、どれだけ提供している付加価値に即したものでしょうか?

特に視覚への訴求は重要です。
教育機器編集委員会編『産業教育機器システム便覧(1972)』によると、刺戟を知覚する五感それぞれの割合は、視覚が83.0%、聴覚が11.0%、臭覚が3.5%、触角が1.5%、味覚が1.0%となっています。
照明学会編『屋内照明のガイド(1980)』によると、視覚が87.0%、聴覚が7.0%、嗅覚が3.5%、触角が1.5%、味覚が1.0%となっています。
数値には違いがあるものの、五感の内、外界からの情報を得る割合は視覚がその大部分を占めていることは間違いがないでしょう。

日本の商習慣を鑑みると、名刺はどの企業でも使用しているでしょう。
では、その名刺は受け取った相手に対して伝えたい貴社の付加価値を表わしたデザインでしょうか?
名刺のロゴを変えたら他の会社の名刺としても使えるデザインであるというのであれば、それは貴社の名刺ではありません。
これは、名刺以外の他の手段、パンフレットやwebサイトなど、およそ視覚に対して訴求するもの全てにおいて言えることです。

結論

文章、会話などの種類を問わず、言葉によるメッセージの効果は大きいです。
しかし、メッセージを伝えるには、ターゲットに読んでもらえること、聴いてもらえることが前提です。
読んでもらえれば違いが分かるでは、認知と理解を相手にゆだねることになってしまいます。
そして、活字よりも全体のデザインの方が先に相手の視覚に刺戟を与えます。

デザインが競合と違いがないのであれば、そもそも興味を抱いてもらえないかもしれません。
付加価値に適合したものでないと、違和を感じさせてしまうこともありえます。

競合との差異や付加価値をきちんと伝えるためには、適切なデザインの活用が必要です。