抽象的⇒具体的

抽象的⇒具体的

柳生宗矩という人物をご存知でしょうか。
新陰流を上泉信綱より受け継いだ柳生宗厳の5男で、将軍家兵法指南役を務めました。
有名な柳生三厳(十兵衛)の父でもあります。
その実績は歴代の柳生家の中でも群を抜いています。

その柳生宗矩は兵法家伝書という書物を残しています。
正確に言うと兵法家伝書は進履橋、殺人刀、活人剣の3巻からなっているのですが、詳細は割愛します。
その兵法家伝書に以下のような一文があります。

敵のうごき、はたらきを見て、様々に表裏をしかけ、敵の機を見るを、策を帷幄の中に運らすと心得べし。

敵の動きを見て、それに応じて揺さぶりをかけて、敵の心の動きを読みとれということになりますが、これが兵法に肝要(剣術のキモ)だと言っています。

仮に一対一で果し合いをするにしても、スポーツの試合ではないので、周囲や相手の状況は決まっていません。
どんな状況にも有効に対応できるような便利な行動はありませんから、具体的な行動に言及しようと思ったら状況が限定されなくてはいけません。
ですから、具体的にああしなさい、こうしなさい、次はどうしなさいとは書けません。

さて、以前にもカッツモデルについて書きましたが、経営層に近いほど具体的なオペレーションレベルではなく、抽象的なコンセプトレベルでの視点や思考が必要となります。
内外部の状況は常に変わっており、経営層に近づくほどその対応の幅が広い、つまり状況が限定されにくいのです。
そのため、抽象度の高い状態で考え、徐々に具体化していく必要があります。

ビジネス書にも色々あります。
テクニックを語っているものもあれば、抽象的な話に終始しているものまで様々です。
一見、抽象的な話よりも具体的なテクニックの方が手っ取り早く役に立つようにも思えるかもしれませんが、その具体的なテクニックが適切な状況でしょうか?

具体的な答えやテクニックを知りたいという気持ちは分かりますが、それが有用な状況なのかどうか、まず鳥の目で抽象的なところから確認されることをお勧めいたします。
さもないと、効果があった理由もなかった理由も分かりませんので、別の機会には全く生かされないことになります。

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