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文明の発展と企業の戦略

メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明の四大河文明については皆さんご存知だと思います。
当然こういった地域を中心に文明は進んでいきます。
例えば中国で火薬や活版印刷が発明されていた時代に、ヨーロッパではおまるに用を足し、たまった糞尿を窓から捨てていたぐらいです。

しかし、現在はこれら文明の起こった地域ではなく、ヨーロッパと日本が先進的な国となっています。
これについて故梅棹忠夫が、論考を発表したことがあります。

梅棹忠夫の説によると、最初に文明が発展した地域は遊牧民の暮らす乾燥地帯と近いため、遊牧民に度々襲われ、高度な政治体制を築くことができなかった。
それに対して、遊牧民の影響を受けないヨーロッパと日本は、文明は発祥しなかったもののそれぞれ中東と中国の高い文明、文化を吸収して発展し、封建制度、資本主義体制へと移行できたというものです。

一つの説として面白いものだと思います。
内容について、以下のYouTubeの動画で簡単に解説していますので、宜しければご覧ください。

モンゴル帝国、マウリヤ朝、ウマイヤ朝、アッバース朝、アケメネス朝…など、ユーラシア大陸には古今、大きな版図を持つ国がたくさんありました。
しかし、強い指導者が現れて版図を拡大するものの、結局縮小してしまうということを繰り返してきました。
これは周辺国との争いが常に起こり得る状況だからだと言えるでしょう。

経営において考えてみると、仮に市場において先行したとしても、競争が激しい市場であれば成長は難しい、あるいは安定した成長は難しい、仮に大きくなったとしても、新たに現れた企業によってシェアを奪われてしまうと言えるのではないでしょうか。

例えばかつてICQというインスタントメッセンジャーソフトが1996年のリリース依頼、爆発的に普及しました。
その後、Yahoo!がYahoo! Messenger、MicrosoftがMicrosoft Live Messengerをリリース、2004年にSkypeが正式リリースされるとシェアを拡大しました。
2020年現在では日本国内であればLINEが最もシェアがあるでしょうが、海外だとWhatsAppがシェアトップのようです。
このように、次ぐ次と競合が現れる余地がある市場は、シェア1位の座を維持することが非常に難しいと言えるでしょう。

それに対して、強い競合のいない独自の市場であれば、競争の激しい市場よりも安定して成長できる、つまりそれだけ力をつけることができると言えるのではないでしょうか。
例えば、クリエイティブ関連のソフトであれば、Adobeのソフトが業界標準になり、今のところはその座を揺るがすことができる存在がいません。

さて、オスマン帝国によって東西貿易路を抑えられ、地中海の交易に高い関税をかけられるようになり、胡椒などの香辛料を始めとしたアジア産の物品を独自のルートで開拓することが必要になっため、15世紀半にポルトガルやスペインがヨーロッパの外に進出していきました。
続いてイギリスやオランダなども進出し、その結果、アフリカ、アジア、新大陸の国々を植民地にしていき、ヨーロッパ諸国によるアフリカ、アジア諸国の植民地政策は20世紀まで続いたことはご存知の通りだと思います。
自分たちの方が先に発展していたにもかかわらず、あれこれ争っている間にヨーロッパの国に文明の発展で追い抜かれ、逆に植民地にされてしまい、今もまだ途上国のままであるという状態です。

ヨーロッパと日本はユーラシア大陸の両端なので、位置に恵まれていたのかもしれません。
民族単位で考えると、自分たちの住んでいるところを簡単に変えることはできませんが、それと比較したら事業領域を変えることはまだ可能性が高いはずです。

世界史におけるアジア大陸にような競争の激しい市場ではなく、ヨーロッパや日本のように技術的な恩恵だけをうまく取り入れて、競争を避けながら発展することはできないでしょうか。