方法の前に

X-Y=Z

売上をアップさせるというのは大抵の事業者様にとって課題と言えるでしょう。
ではどうしたら良いか…と具体的な方法を考えるのは尚早です。

X-Y=Zの計算においてZを求めようと思ったら、XとYが分かっている必要があります。
同様に、まずは目標値が決まらないと現在との差分が分かりません。
具体的な方法はその差分によって変わってきます。
同期間で売上を1割アップさせる手法と、2倍にする手法が同じではないというのはイメージできるかと思います。

同様に、アプローチしたい相手に対して訴求をしようと思ったら、やはり相手が明確である方が訴求力が高まります。
「30代の女性」と「30代のビジネス街で働く既婚女性、毎月の化粧や美容にかけられる金額は10,000~15,000円程度、通勤で片道20~30分程度は電車に乗っており、その間はスマートフォンを使用している」
どちらが効果的なアプローチ方法を考え付きやすいかという点を考えると、応えは明白ですね。

資格取得を励行したり、資格取得の補助をしたりすること自体は良いことですが、それが戦略に基づいたものであればさらに効果が高まります。
例えば数年後企業がどうなっていたいか、企業の戦略や売上、組織の在り方、そういったものが従業員がどう成長していってほしいかを決めるはずです。

現状は把握しているとして、ゴールは設定されていますか?
それがないと選択肢から適切な選択ができないし、そもそも選択肢すら用意できないかもしれません。
どこにあるのかわからない場所に、当てずっぽうで行こうとしていませんか?

青い海

青い海

不戰而屈人之兵、善之善者也

孫子の有名な文句ですね。
原文は前段階の説明があって、「是故百戦百勝、非善之善者也。不戦而屈人之兵、善之善者也」となっています。
つまり、「百回戦って百回勝つというのは優れたものではない。戦わないで敵を屈服させるのが最高に優れたものである」ということです。

ブルーオーシャン戦略もまた、競争のない状態を作り出すべきという論です。
それができたら苦労しないと思われるかもしれませんが、そもそも競争のない状態を作ろうとしなければできるはずがありません。

うまみのある市場は誰にとっても魅力的な市場ですから参入者が多く、結局のところ競争の中に自ら飛び込んでいくことになってしまいます。
競争に勝ち抜くことができれば良いのですが、規模が小さい企業は難しいのが現実です。
今後はこの市場が大きくなりそうだから参入しよう、これをやっている限りは競争に勝ち抜ける一つまみの企業以外は常に収益性が低い状態を脱することができません。

市場(ニーズ)がない商品・サービスでは儲からないのはいうまでもありませんが、誰にとってもうまみのある市場なら競合も多くなるので競争が激しくなって、自社にとって儲かる市場とも言い切れません。
性能と価格の勝負のような、既存の枠組み内で考えていたら、おそらく競争から逃れるのは難しいでしょう。
違う評価軸を与えて、市場を既存にはないセグメンテーションができないでしょうか?

取り残される従業員

取り残される従業員

先日、とあるフリーランスの方と話をさせていただいたときのことです。
ゲームのメーカーなどに出向いて、3Dのモデリングをやるというのがメインのお仕事なんだそうですが、当然ながら同様の仕事をする従業員の方より収入は上なんだそうです。
報酬を支払うメーカー側にすると、社会保険の負担もないし、人件費という固定費ではなく外注費という変動費にできるため、結果として費用が下がります。
1回のプロジェクト当たりの単価が従業員より高くなっても、トータルで見るとメーカー側の負担は小さくなります。

収入そのものはメーカーに勤めている同職種の方よりも高いので、出向先のメーカーの方からも収入の面であれこれ言われることも有るそうです。
その時に「じゃあ独立すれば?」と言うと皆が黙るそうです。

スキルに自信があって、現在の境遇に不満があるなら独立・企業という選択肢があります(必ずしもスキルがある=食べていけるという訳ではありませんが)。
私がかつて勤めていた会社にも仕事中にSkypeで人(社長だったり、他の従業員だったり)の悪口をやり取りするのが日課の人がいました。
毎日文句を言っているにも関わらず、結局転職するなり、独立するなりしないのは、自分自身に市場価値がないと思っているからなのかどうかは分かりませんが、リスクを負うことができないのは間違いありません。

人間ですから愚痴の一つや二つをこぼす程度なら普通でしょう。
しかし、自分から境遇を変えよう、不満の解消のために自分から変わろうということをしないのであれば、昨今AIや働き方改革が取りざたされていますが、今後の環境の変化の中で取り残される可能性が出てきます。

そんな安全な環境の中で文句を言っているだけのモラトリアムな従業員など放っておけば良いと言われればそれまでですが、周囲に悪影響を及ぼしかねませんし、必要なだけの仕事をやるのであれば戦力には違いがありません。
従業員と向き合えば解決するとまでは言い切れませんが、従業員と個別に話し合う時間などを設けてみてはいかがでしょうか。
不満の原因を聞くだけでも、お互いにとって前進にならないでしょうか。

中小企業の武器

中小企業の武器

一般的に経営資源はヒト・モノ・カネ・情報(無形資源)だと言われています。
どんな企業も経営資源が無限ということはありません。
一人会社も世界で一番大きい企業でも同じことです。
経営とは、外部環境に合わせて経営資源をやりくりすることなのではないかと思います。

さて、起業は競争を避け、あるいは競争に勝って生き残っていく必要があります。
そのためには経営資源を効率的に活用しなくてはいけません。
しかし、中小企業においては効率的どころかそもそも経営資源に乏しいというのが現実ではないでしょうか。

人材確保が難しい、設備も古いまま、資金も潤沢じゃない…そんな状況でもしっかりとやっていこうと思ったら、やはり独自のノウハウのような無形資源を武器にするしかありません。
そんなノウハウなんてないし…と思われるかもしれませんが、ノウハウとは勝手に身につくものだと思っていませんか?

勝手に身につくものもあるでしょうが、そうでないものがあります。
特に事業をやっている中での補助業務は、改善していこうという意識も主業務と比較して低いですよね。
もちろん主業務も、慣れたやり方から改善しないと現在保持しているノウハウ以上のものは得られにくいでしょう。

業務の全てにおいて、他社を上回るノウハウを得るのは難しいと思いますし、その必要性もないでしょう。
主業務とシナジー効果が得られそうなもの、営業など売上に直結しそうなもの、逆に費用削減に直結しそうなものなど、絞って業務改善のPDCAサイクルを回してみてはいかがでしょうか。
それが競合にはない独自の武器になっていくのではないでしょうか。

トレーニングジム

トレーニングジム

トレーニングジムと聞くとどういったものを想像されるでしょうか。
ボディービルダーを目指すマッチョが黙々とストイックに重たいウェイトを持ち上げている…まあ、実際そうなんですが、そういった人ばかりがユーザーではありません。
業界動向サーチによりますと、シニア層がメイン顧客なんだそうです。

トレーニングジムに行くと、たくさんのマシンがあります。
マシントレーニングはフリーウェイト(自分でダンベルなどを持って行うトレーニング)と比較して、初心者でも狙った部位を安全で効果的にトレーニングできるというメリットがあります。
それは、マシンの稼働部分の軌道が決まっていて、概ね的確な動きができるようになっているからなんですが、逆に言えば、個人それぞれにあった動きはできないし、特定の部位以外はトレーニングしづらいということになります。

さて、色々な経営学者やコンサルファームが経営やマーケティングに関するフレームワークやツールを提唱しています。
例えば、最近流行りのものだとビジネスモデルキャンバスがありますね。

こういうフレームワークやツールは、言うなればマシントレーニングのようなものです。
ガイドにするには良いのですが、必ずしもすべての企業において効果的に活用できるとは限りませんし、状況によっては逆効果ということもありえます。

例えば、先ほど例に挙げたビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを構成する9つの要素に分けて考えたり、比較したりするには良いツールですが、ビジネスモデルそのものを考えるのには向いていないと個人的に思っています。
それぞれの要素を書き込む位置が決められているので、自社、パートナー、顧客がそれぞれどのように関わるのか、ビジネスモデルキャンバスだけでは表現できないからです。

ビジネスモデルキャンバスの話をしたい訳ではではないので、話を元に戻します。

当たり前の話ですが、それぞれのフレームワークやツールは目的を果たすための手段であって、使うことが目的ではありません。
効果的に使えば武器になりますが、どんな場面でも、どんな企業でも使用できるとは限りません。
武器を振り回すつもりが、武器に振り回されてはいませんか。

両輪

両輪

元日に行われた第97回天皇杯全日本サッカー選手権準決勝にて、前半8分に横浜Fマリノスに先制されたセレッソ大阪は、後半に追いつき、延長前半に逆転し優勝をしました。
先制をされたものの選手たちは「追いつける自信があった」と考えていたようです。

諦めてしまったら頑張れない、頑張ろうという気持ちになれないのは当然の話だと思います。
ただ、信念があれば成功できると言う訳ではないでしょう。
できるという(根拠に基づいた)自信やモチベーションなどの精神面での充足だけでなく、成功できるだけの力が必要です。
これらは車の両輪であり、どちらかが欠けてもうまく行かないのではないでしょうか。

さて、物事がなかなかうまくいかない場合、実力にしか目がいかず、精神面を無視していないでしょうか。
あるいは、モチベーションなどの精神面ばかりに目が行って、実力を無視していないでしょうか。
原因の特定を間違えると問題は解決できません。

代行業者に頼んではいけないもの

代行業者に頼んではいけないもの

営業代行や運転代行、輸入代行など様々な代行業者があります。
有効に使うと便利なんでしょうが、代行をしてはいけないものもあります。

その中の一つが日本政策金融公庫の創業計画書の代行です。
融資に際して面接を行うので、自分で計画書を作らなければ質問をされてもちゃんと答えられません。
公庫の職員は面接時の受け答えから自分で作っていないことを見破るので、結局融資が難しくなります。
何より、自分の創業の計画を作成を他人に任せるような人は、とてもじゃないけど事業なんてやっていけないので、創業なんてしてはいけません。

鶏が先か、卵が先かという話でもありますが、これは頼む側だけの問題ではありません。
代行をしますと看板を掲げている業者の問題でもあります。
代行業者には行政書士や、恥ずかしながら中小企業診断士もいるようですが、創業計画書を代行しますということは、料金をもらって融資がされない結果をもたらしますということです。
言い換えると、自分が儲かりさえすれば依頼者が融資を受けられなくても構わないといっているのと同じです。

自分の起業ですから、他人にペンをなめてもらっても意味がありません。
書き方がわからない、どう書いたら良いのかわからないなんてことがあったら、公的機関に行けばいくらでも相談はできますので、代行業者に頼むのは絶対に止めましょう。

清水の舞台

清水の舞台

起業はしたいがネタがないという方も一定数おられるようです。
個人的には非常に驚く話です。

起業というのはあくまでも手段であって、目的ではありません。
特定の対象に提供したい付加価値があって、それが会社にいてはできないから独立起業を行います。
上記したように、起業したいけどネタがないというのは因果が逆です。

同様に、独立起業しましたが仕事がありません、何でもしますから仕事をくださいというのもおかしな話です。
頂いた仕事は何でもやりますという姿勢そのものは良いのかもしれません。
しかし、仕事は選ばないで何でもするというのなら、独立しないでサラリーマンのままでいたら良いじゃないですかということになりますよね。

経済産業省は現在5%程度の開廃業率を10%まで上げたいと考えています。
新規開業する企業の方が今まで以上の付加価値を提供する見込みが高く、また雇用も生む見込みが高いです。
そのため、経済発展のためには開廃業率を高めるということを目標にするのも理解できます。

完全に準備が整うことはないかもしれませんので、起業するためにはどこかで「えいや」と思い切ることが必要かもしれません。
しかし、清水の舞台から飛び降りるつもりで思い切って独立企業なら良いのですが、東尋坊から海に飛び込むのはただの自殺行為です。

なぜ独立起業したいのか、その理由も動機も明確でないのなら、独立起業は止めておいた良いと思いますが、いかがでしょうか。

怠慢なIoT

怠慢なIoT

少し前の記事ですが、日本のIoTに関する以下のような記事があります。
現場カイゼンだけ? 日本の工場IoTの残念な現状
この記事によると日本は現場カイゼンのためのIoTであり、欧米は経営改革のためにIoTを活用するということだそうです。

さて、機械装置へのセンサーの取り付けなどで、より正確な生産状況の把握ができるようになるなどして、現場が改善されるのであれば、それはそれで効果があるということは間違いありません(この例だとInternet of ThingsじゃなくてIntranet of Thingsですが)。
ですが、生産効率を高めたり、情報を集めて新たな開発などに生かしたりするのは、目標がないとあまり意味がありません。
言い換えると経営目標があった上で、それを達成するための手段の一つとして現場の改善があるということです。

かつては良いものを作って売ればそれで良かった時代もあったかもしれませんが、現在は中国や東南アジアでそこそこ良いものが安価で製造されています。
市場が求めるものがそこそこ良いものだとしたら、すごい良いものを作ってそこそこ良いものよりも高い値段で売っても売れません。

製造業の方の良いものを作るための日々の努力は素晴らしいと思います。
ですが、良いものさえ作ればきっと売れるという考えは、現場のエンジニアならそれで良いかもしれませんが、経営者がそういう考えでは困ります。
今後は何を作ったら売れるか、良いものをどうやったら売れるか、どうやったら高く売れるのか、そういったことを考えないのであれば経営者の仕事は何なのかということになってしまいます。

言葉だけ先行している感も否めませんが、製造業のIoT導入に対する国や自治体、公的機関の支援も今後も増えるでしょう。
単なる自社内の工場の生産効率アップしかできなのであれば、それは経営者の怠慢だと思われますが、いかがでしょうか。

報酬に対する不満

報酬に対する不満

従業員の評価をするにあたって、完璧な評価というものは存在しません。
能力や実績、その他どのような評価基準であったとしても、部署ややっている仕事を超えた完全な公平性や透明性の担保はできません。
自分は一生懸命やっているんだから、この評価は不満だという思いを持っている人は少なからずいるでしょう。
特にスキルに自信がある人、与えられた仕事を十分以上にやっている人は給料に対して不満を感じやすいのではないでしょうか。

仕事にはそれぞれ値打ちがあります。
時給換算で1,000円以下の仕事もあれば、10,000円以上の仕事もあります。
ここで自分は一生懸命やっているんだから…という話に戻ります。
私のいたITの業界は薄利な事業でしたので、給料に対して不満を持っていた人の割合が高かったのではないかと思います。

例えば、システムインテグレーターに依頼する顧客は、コスト削減や生産効率向上などの目的をもってシステム開発を依頼する訳です。
言われたものを作るだけではなくて、実際にコストを削減できている、あるいは生産効率を向上させることができないから、作業の工数を換算しただけの料金になっています。
Web制作会社に依頼する顧客は、売上を上げたいからWebサイトの制作を依頼する訳です。
顧客の気に入る形のものを作るのではなくて、問い合わせや来店誘致に繋がるようなWebサイトが作れないから、作業の工数を換算しただけの料金になっています。

さて、利益が薄い事業というのは、付加価値を生めていないということです。
一生懸命やっていても、付加価値を生んでいないということになります。
当然ながら、それが給料に反映されているということです。

ですが、従業員にはそんなことは分かりません。
自分はスキルがある、与えられた仕事はきっちりとこなしている、自分は一生懸命やっているのに…が、どの程度の付加価値なのか従業員は分からないということです。

現状の評価に不満があるのなら、現状の仕事を続けていても評価は変わらない訳です。
そこで、新たな付加価値を生むような新規事業の提案や、業務改善案などを提案…なんてことは、大抵の人はやりません。
通るかどうかはさておいて、中小企業は大企業と比較して、経営者や上長などに意見を言いやすい環境であるにも関わらず、そういった発想にならないのが普通なんでしょう。

だとしたら、給料に対する不満はいつまでたってもなくなりません。
給料の面での不満を少しでもなくしたいのであれば、どうやったら評価が上がるのかをちゃんと設定して、それを従業員に伝えるのが経営者の仕事ではないかと思われますが、いかがでしょうか。

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