古典に学ぶ(荀子)

古典に学ぶ(貝原益軒)

人間の性が悪、すなわち利己的存在であるため、後天的な努力によって善へと向かうべきだという性悪説で知られる荀子ですが、ビジネスにも大いに役立つと思われる言葉を残していますので、いくつかご紹介したいと思います。

遇と不遇は時なり

孔子が言ったとされる言葉です。
人生トントン拍子に行くときもあれば、何をやっても上手くいかないときもある。
上手くいかないときに卑屈になってはいけない、努力しながら時勢が来るのを待てという話です。

経営においても、困難にぶつかる時もあるでしょう。
それが外部環境の変化によるものであれば、自分の力ではどうすることもできないかもしれません。
そこでただグチばかり言っても仕方がありませんので、前に進めるように、または良い波が来た時にうまく乗れるように準備をしながら待つ姿勢も必要だと言えるのではないでしょうか。

蓬も麻中に生ずれば、扶けずして直し

もぐさの原料にしたり、よもぎ餅の材料に使用する蓬(ヨモギ)は、そこら辺の空き地などにも生えているので、ご覧になられたことのある方もいらっしゃると思います。
非常に背の低い草ですが、そんな蓬でも成長の早い麻の中に生えれば、影響を受けてまっすぐ高く育つとのことです。

人間も同じで、周辺環境や良い交友関係に恵まれれば…なんて教訓めいた話になりがちですが、これは何も個人だけの話ではないと思います。
例えば、企業も周辺環境次第で、あるいは取引している相手次第で、企業全体も良い影響を受けることも考えられるのではないでしょうか。

驥は一日にして千里なるも、駑馬も十駕すれば則ちまたこれに及ぶ

名馬(驥)は1日に千里を走ることができるが、駄馬(駑馬)も10日かければ千里を走ることができる。
つまり日々の努力とその継続が大切だということですが、上記したように不遇な時でも腐らず、付き合う相手を選び、目標を定めて少しづつでも前進し続ければ千里の道のりも10日かかるところが9日、8日…あるいはもっと早く到達できるようになれるのではないかと思います。
逆に言えば、毎日の経営。毎日の業務がルーチンワークになってしまい、日々前に進む意識を失い、努力を怠れば、目標にはなかなかたどり着かないとも言えるのではないでしょうか。

スキームを変える

スキームを変える

以下は読売新聞の記事です。

アパレル業界の不合理な商慣習、改善を…経産省

このように、商習慣として、あるいは業界の構造的に自社に不利になったり、利益が出にくかったりする例は枚挙に暇がないでしょう。

一つの例として面白い企業ご紹介します。

貿易(輸出)をやっている一人会社で海外企業からこんな商品が欲しいと注文を受けたら、探して輸出するというビジネスモデルなのですが、全て現金取引でかつ全て前金というものです。
最も、貿易会社は中国の企業相手だと前金を貰うのが珍しくないそうですが、この企業が自分の支払も全て前金で現金払いにしているそうです。

それによって、貸し倒れや踏み倒しのリスクがないばかりか、キャッシュフローが非常に良いので、資金繰りについて悩んだことがないそうです。
また、購入先にも現金で支払うために、相手企業もキャッシュフローが改善します。

さて、自社の所属する業界の商習慣を自社の一社だけで変えるのは難しいと思いますが、自社のやり方を変えて有利なように、あるいは利益が増えるようにできないでしょうか?
当たり前のことを当たり前にやっていて、現状が良くなることはありません。
人のお金や物を盗んではいけませんが、他業界のやり方はどんどん参考にして取り入れていって、自社が有利になるようにスキームを変えていきませんか。

適応力

適応力

偉人の言葉で誤解されているものもいくつかあります。

この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。 最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。

ダーウィンが言ったとされていますが、実際にはこのようなことは言ってないそうです。
それはそれとして、生物は環境の変化に対応をしなくてはいけないということは間違いはないでしょう。

環境の変化も大きなものから、小さなものまでありますが、小さなものでは季節に合わせた気温の変化があります。
日本では季節によって気温が変わるために、服装もそれに合わせて薄着になったり、厚着になります。
季節外れの恰好をしていたら、おかしいのは改めて指摘することではありません。

さて、生物だけでなく、企業も環境の変化に対応しなくては生きていけないでしょう。
為替相場や、人口動態、業界動向、近隣地域への競合の参入など、大きなものから小さなものまで常に外部の環境は変わります。

にもかかわらず、環境が変わってしまって事業のやり方が時代に合わなくなっているために売上が下がっているのに、いつまでも変わらない。
消費者のライフスタイルが変わってきているのに、売っているものも売り方も変えない。
法律の変更による規制緩和で、競合の参入が予想されるにも関わらず、せいぜい飲みながら愚痴を言っているだけ、こういったことはよくあります。

論語にも

子曰く、「君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む」

というのがあります。
「君子は何事でも(失敗の)原因を自分に求めて反省を加えるが、小人は何でも人のせいにする。」という意味です。
愚痴を言いたい気持ちは分からなくはないですが、外部環境が変わるのならそれに適応するか、退場するかしかありません。

変わるにはエネルギーが必要です。
ですが、環境の変化に対応できるように変わることができるとしたら、それは新たなステップに進んだという証で、新たな環境でさらなる飛躍をするための準備ができたとも言えるのではないでしょうか。

古典に学ぶ(貝原益軒)

古典に学ぶ(貝原益軒)

貝原益軒は江戸時代の本草学者、儒学者で、非常に含蓄のある言葉を残しています。
ビジネスにも大いに役立つと思いますので、いくつかご紹介したいと思います。

知っていてもそれを行動に移さないのであれば、知らない者となんらかわりは無い。

知識を増やすという行為は、前に進んでいる気がします。
「知識」と書きましたが、この場合は英語でいうところのinformationであって、intelligenceとは異なります。
つまり、ただ知っているだけで経験としてはゼロという状態です。

そこに行動することにより経験し、フィードバックすることでinformation同士が有機的に繋がってintelligenceになるというイメージでしょうか。

志を立てることは大にして高くすべし。
小にして低ければ小成に安んじて成就しがたし。
天下第一等の人とならんと平生志すべし。

競合他社との競争は避けるのが原則です。
ですが、競争が避けられない場合は、より強い方が勝ち残りやすくなるのは事実でしょう。

自社の前には誰もおらず、自社の後ろにも誰もいない状態が理想だと考えています。
それも天下第一等と考えられないでしょうか。

喜びの時も怒りも時も何も行動をしてはいけない。
喜びもやみ、怒りもやみ、平常心を取り戻した後に事を行なうようにしなさい。

感情としてプラスの時もマイナスの時も、平常ではないのだから判断を誤るということでしょうか?
確かに、普段通りにしたいのであれば、精神状態が良い状態のときも普段通りのことが出来な可能性がありますね。

長く残っている言葉は、長く残っているだけの理由があると思います。
温故知新ということで貝原益軒の言葉から経営を考えてみました。

事象

事象

コップの中に水が半分入っています。
これを「半分しかない」と捉えるか、「まだ半分ある」と捉えるかで、その人の志向の傾向を見るというものがありますが、「コップの中に半分水が入っている」という事象にスポットを当てて考えてみてください。

経営において重要なことは、「コップの中に半分水が入っている」という事象から何を考えるかではないでしょうか。
例えば

  • なぜコップの中の水は半分なのか?
  • 元々はどの程度入っていたのか?
  • フルに入れたかったが、充分な水がなかったのか?
  • そもそも半分で十分なのか?
  • フルに入っていたが、半分に減ったのか?
  • 減ったのだとしたら、何に使ったのか?
  • 半分の状態にしておくとこで、どういった影響を受けるのか?

…等々、色々ありますが、一つの事象からある程度の因果をたどってみることは可能だと思います。

法律が変わる、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?
自社の所属する業界が自由化する、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?
新しい制度ができる、それはなぜか?どういった影響を受けると考えられるか?

外部の状況が変わるという事象を変えることはできないので、経営者としてはそれに対応しなくてはいけません。
だとすれば、その事象が起こった(起こる)理由と、その結果を考えることで早めの対応を行いようにすれば、機会を掴みやすくなり、ピンチをしのぎやすくなると思いますが、いかがでしょうか?

1-0≠2-1

1-0≠2-1

1-0と2-1はどちらも答えは1です。
数字の上では同じですが、経験の量を定量化したものだとしたら、それが0から1になるのと、1から2になるのとでは同じではないのは同意いただけると思います。

「起業したいが、まだその準備が整っていない」
どうなれば100%準備が整った状態なのでしょうか?何をもって100%なのかを設定しているのでしょうか?

チャンスの方からやってきてくれる幸運な方もいらっしゃるでしょうが、大抵のケースにおいてはチャンスは自分から掴みに行くものでしょう。
また、実際にやってみないと何がどれだけ必要で、不要なのか分からない以上、前もって準備して100%の状態でスタートするなんてことはできません。

アドラー心理学風に言うと、「起業したいとは言っているけれど、本当は起業するのが怖い。だから、しない理由が必要なので、そもそも準備をしないことを選択した」のかもしれません。

「いつかは企業したい」
いつかっていつでしょうか?チャンスがいずれ来るのでしょうか?今までチャンスが来たことがなかったのに?待っていたら、いつかチャンスは来るのでしょうか?

動いてみて初めて分かることもあるでしょう、動いてみて初めて理解できることもあるでしょう。
もちろん、失敗してもリカバリーができる範囲でという条件が付くかもしれませんが、とにかく行動することが必要なのではないかと思います。

 

商圏拡大

商圏拡大

小売店は立地が重要であることは間違いないでしょう。
立地と取扱商品で商圏が決まり、それによって売上の上限も決まるってくるからです。
取扱商品をニッチなものに特化することで商圏を広げるなんていうのがスタンダードな対策なのでしょうが、ちょっと違う事例を紹介したいと思います。

近所の中古バイク屋さんの事例です。
ネットの中古バイク検索サイトに登録するというのはどこでもやっていることですが、掲載車両を3台まで選ぶことができ、それを自宅まで持ってきて実物を見て比較できるというユニークなサービスを行っています(大阪府・和歌山県・奈良県に対応)。
遠くて買いに行けない、遠くて面倒という買い手の手間を省くと同時に、商圏を広げることができています。

車にバイクを積み込み、顧客の家まで持って行くという手間とガス代などの費用は別途発生しますが、利益がそれらを上回るなら販売の機会増加になる良い方法だと思います。

検索サイトで、検索する側が地域から絞り込んでいくと意味がないのですが、車種や値段など他の条件で絞り込みを行えば通常の商圏外の人にも訴求できます。

工夫次第で商圏を拡大できるという例として挙げました。
どんな業種、業態でも考える余地はまだまだあるのではないかと思います。

変化への対応

変化への対応

偉人の言葉で誤解されているものもいくつかあります。

この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。 最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。

ダーウィンが言ったとされていますが、実際にはこのようなことは言ってないそうです。
ですが、生物は環境の変化に対応をしなくてはいけないということは間違いはないでしょう。

さて、生物だけでなく、企業も県境の変化に対応しなくては生きていけないでしょう。
為替相場や、人口動態、業界動向、近隣地域への競合の参入など、大きなものから小さなものまで常に外部の環境は変わります。

にもかかわらず、環境が変わってしまって事業のやり方が時代に合わなくなっているために売上が下がっているのに、いつまでも変わらない。
消費者のライフスタイルが変わってきているのに、売っているものも売り方も変えない。
法律の変更による規制緩和で、競合の参入が予想されるにも関わらず、せいぜい飲みながら愚痴を言っているだけ、こういったことはよくあります。
愚痴を言いたい気持ちは分からなくはないですが、外部環境が変わるのならそれに適応するか、退場するかしかありません。

自分が別のステージに進むに当たって、新しい環境に対応しきれずに足踏みしているというパターンもあります。
新しい環境は必ずしも、進出者を迎え入れてくれるとは限りませんから、やはり新しい環境に適応する必要があります。
それができないのであれば、新しいステージに行くのを諦めるかしかありません。

環境変化に対応したくないからしない人よりも、変わらなくてはいけないとは分かっているけど変われない。
あるいは、進まなくてはいけないけど進めないという方が大半を占めるのではないでしょうか。

  • 行動力が無い。
  • 現在の環境(ぬるま湯のような環境が心地よく)から離れ難くて、新しいステージに進むことができない。
  • 変化に対する抵抗。

理由は色々あるでしょうが、変化に対応しなくてはいけないのであれば、理想の状態を思い描いたうえで少しずつでも変えていけば良いのではないかと思います。
変わった、変われたの体験が少しでもあれば、次の変化もできるのではないでしょうか。

広告効果の算定の仕方

広告効果の算定の仕方

広告はいくら費用をかければ、どれだけの効果が出るのかということは算出できません。
過去の例は提示できるでしょうが、過去の出来事が未来を保証しないことは言うまでもないでしょう。

広告費の半分が金の無駄使いに終わっている事はわかっている。
わからないのはどっちの半分が無駄なのかだ。

アメリカの実業家であるジョン・ワナメーカーの言葉ですが、ブランドイメージ向上や、顧客との関係性の向上の度合いなど、定性的な効果は確かに算出できない、あるいは算出しづらいでしょう。
ですが、広告にかけた費用に対して、どれだけ売上が上がらないといけないかは、損益分岐点計算を応用すればある程度算出できます(損益分岐点、損益分岐点の計算方法が分からなくても問題ありませんので、読み進めてください)。

分子に広告費、分母を限界利益率(売上高における変動費を除いた割合。限界利益率(%)=(売上高-変動費)÷売上高×100)として計算すると、広告費をペイできる売上高が分かります。
実際に数字を当てはめて考えてみましょう。

条件は以下の通りとします。

  • 原価率が3割の飲食店(限界利益率は70%)。
  • 配布用のチラシに100,000円の費用をかけた。
  • 家族が配布するので人件費の増加は無い。
  • 他の費用の増加も無い。

以上の条件だと、100,000を0.7で割れば142,857.1…つまり、広告をかけなかった時よりも42,858円の売上がアップしないと費用対効果が悪いという判断ができます。

限界利益率さえ予め算出しておけば、小学生でも可能なレベルの計算です。
これを効果があった、なかったという判断の目安にしていただければ幸いです。

満腹時のごちそう

満腹時のごちそう

どんな料理でも満腹の時には食べたくありません。
それは料理に問題があるのではなく、食べる側の都合、あるいは出す側のタイミングの問題です。

さて、起業したら顧客を獲得していかなくてはいけないので、営業活動をやっていく必要があります。
どのような形での営業活動であれ、営業すれば売れるという訳にもいかないのは言うまでもないでしょう。
そして、商品やサービスが良くても相手側の都合やタイミングの問題などで売れないことはいくらでもあるはずです。

営業経験のある方はこの辺りの機微を良くお分かりなのだと思いますが、営業経験がないと営業活動に対する結果や成果を高く見込みすぎる、つまり商品・サービスの良さが伝われば売れるはずだと一方的に思いがちなのではないでしょうか。

相手の都合で商品・サービスが売れなかった時に、売れなかった原因を商品やサービスそのものに求めてしまうと、出てこれない袋小路に迷い込むことにもなりかねません。

商品・サービスが売れない原因というのは必ず存在します。
同じ商品・サービスでも条件が変わったら売れたり、売れなかったりもするので、売れなかった理由の見極めは特に気を付けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

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