分解して分かったこと

分解して分かったこと

事業というものを分解してみました。

  1. 顧客を見つける
  2. 価値を提供する
  3. 代金を貰う

事業内容や提供する商品・サービスなどの違いによって2と3が逆になるケースや、ほぼ同時に行うケースもあるでしょうが、概ねこのサイクルの繰り返しなのかなと思います。
他の切り口や分け方もいくらでもあるでしょうが、これで話を進めていきます。

さて、企業に勤めているとこれら全てに関わる機会はそう多くないのではないでしょうか。
殆どの人がこの内のいずれか、あるいは2つしか行わないと思います。
ですが、1人で起業や独立などを行うと、これら全てに関わるようになるでしょう。
ですから、これら全てをできないと事業が成り立ちません。

顧客を見つけられない限り、その後のステップには進めませんが、営業経験のない方だと特に不安を感じるかもしれません。
その割に、起業や独立を行う前は、頭では難しいとは分かっているものの、どうしても甘く見込みがちになるのではないかと思っています。

特に「価値を提供する」部分に相当する商品・サービスを考えるに当たっては、どうしても自分の思い入れが最初は強く加わるので無理やりニーズがある事にしがちです。

同様に、自分が欲しい価格と相手が払っても良いと金額には差異があるのが普通です。
それらは実際に動いてみないとどこが折り合いの取れる金額なのか分かりません。

実際に動き始めたら、見込んでいたことが予定通りにいかないことが多々あることを感じる訳ですが(逆に、何か月も前に名刺交換した方から連絡が来たりすることもありますけど)、事業を自分なりに3つに分解したことでそれぞれをより強化、あるいは別の案を考えてみるなど行動に落とし込みやすくなったと思います。

これらを繰り返しながら、事業計画を立て、それをブラッシュアップしていけばより、行動すべきことが明確化すると同時に、精度も向上すると考えていますが、いかがでしょうか。

インプリンティング

以前、面接に関して書きましたが、今回も面接について前回とはちょっと角度を変えて書こうと思います。

インプリンティング

大企業と比較して中小企業は人材の確保が難しく、また離職率も高いと言われています。
それは以下の理由が考えられます。

  1. 大企業と比較して応募者の絶対数が少なく、自社にマッチした人材を採用しにくい。
  2. 離職に対する抵抗が大企業より小さい(中小企業と比較して、大企業はせっかく大企業に就職できたので辞めたくないという意思が働きやすい)。
  3. 人事専門の部署がない企業が多いので、面接のノウハウなどを確立していない。

応募者の絶対数が少ない点と、従業員数の関係上、人事専門の部署がないという点は仕方がないかもしれません。
しかし、面接のノウハウは確立できないでしょうか?
マッチした人材…そもそもどんな人材がマッチした人材なのか、募集前に考えていますか?

スキルやノウハウは不要か?

さて、営業の仕事は営業のためのスキルやノウハウが必要です。
開発の仕事は開発のためのスキルやノウハウが必要です。
管理の仕事には管理のためのスキルやノウハウが必要です。

では、面接には面接のためのスキルやノウハウはいらないのでしょうか?
普通に考えてそんなことはありませんね。

にも関わらず、自身の面接をどれだけ振り返っているでしょうか?
特に面接担当者が応募者と一対一で面接をしている場合、その際の対応が悪くても誰も指摘をしてくれる人はいません。
自分で振り返らないと、スキルやノウハウは確立できません。

こんな対応をしていませんか?

応募資料を面接が始まってから初めて見る人がいます。
その間は面接を受ける側は待っておかなくてはいけない訳ですが、当然待っている間に相手に対して、企業に対しての印象は絶賛目減り中です。
数分間資料に目を通してから質問が始まるのですが、数分で確認してあれこれ質問できるのなら、予め読んでおけよということになります。
単純にビジネスマンとしての段取りの能力を疑われてしまいます。

応募者の話に合わせて質問できない人がいます。
応募者の経歴はそれぞれですから、質問に対して何をどこまでどれだけ答えるか、どういった答えになるかは人によって異なります。
自分の想定した段取りとは異なる解答があった場合、それに対応できずに「今それについて喋ったけど、話をちゃんと聞いてた?」と思われるような質問を返したら、こんな人に採用の是非を判断されたくないし、こんな人に面接を任せている企業なんて、ろくな人材のいない企業ではないか?と思われても仕方がありません。

応募者に対する対応がぞんざいな人がいます。
応募者は顧客ではありませんので、応募者と顧客と対応が同じということはないでしょう。
しかし、人を採用したくて募集をしているにも関わらず、応募者に対してぞんざいな対応をしていると、顧客に対しては慇懃だけど、従業員に対して偉そうにしたり、従業員を大切にしない企業なのではないか?など、人としての良識や企業の姿勢を疑われても仕方がありません。

繰り返しになりますが、自身の面接をどれだけ振り返っているでしょうかと言われると、個人的な感想ですが、皆無だと思います。
特に面接担当者が応募者と一対一で面接をしている場合、その際の対応が悪くても誰も指摘をしてくれる人はいません。

中小企業の場合は、日々の業務の間に採用や面接業務をやっていて、専門のセクションや担当者がいないのがほとんどでしょう。
繰り返しになりますが、そういったことを指摘されるか、意識するようにしないとなかなか直すのは難しく、面接を行うスキルやノウハウも向上しないでしょう。

ちゃんと質問できていますか?

単に、欠員が出たから募集して、応募者の中から一番良さげな人を採用する。
あるいは、そもそも新規事業のための採用なので、応募者のスキルの判断ができず、面接して何となく一番良さげと感じた人を採用する。
そういった感じで面接をやっても、当を得た質問はできません。
特に後者のように、応募者と企業側とで知識に開きがあるとなおさらです。
ということは、適切な人材を確保するのも難しいということになります。

また、応募者側の立場で考えてみてください。
今後の計画や、ビジョンの見えない企業、就職したところですぐに潰れそう、自分のキャリアにプラスにならなさそう、そんな企業に就職したいですか?

採用活動は事業計画の一部です。ちゃんと立案した事業計画の中での採用活動でないと、面接時の対応に上記したようなことが現れてしまいます。
応募者にも計画がないことは伝わりますので、それで優秀な人材に来てもらおうというのは無理がありますね。

最後に

カモなどの一部の鳥類は初めて見たものを親だと思い込む習性がありますが、ファーストコンタクトというものは非常に重要です。
面接担当者の対応や印象が悪い企業に対して、良い印象を持つことはありません。
特にそれが社長だったら、間違いなくこの会社で働きたいなんて思わないでしょう。
印象なんて理屈ではないのでコントロールも難しいですし、何よりも応募者にしてみたら最初に悪い印象を持った企業に対して、良い印象を持とうという意思は働きません。

面接側が応募者を見ているように、応募者も面接や面接官を通して企業を見ています。
企業側が応募者を選ぶのと同時に、応募者に選んでいただくという意識で面接をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

ゴールと現状と選択肢

中小企業診断士試験の受験生のサポートをしていて、「どうすれば良いのか?」に迷われている方が多いように見受けられました。

パターンとしては2種類あって、選択肢が多い中でどれを選べば良いのか分からないというものと、そもそもどうすれば良いのか分からないというものです。
原因はどちらも同じで、ゴールの設定をしていないことに起因しています。

ゴールと現状と選択肢

ゴールが分からないのに選択肢にスポットを当てるという行為は、箱に描かれた完成図を見ないで(つまり全体の把握やゴールの設定をしないで)ピースだけを見てジグソーパズルをやるようなものです。
普通はそんなことはしませんよね。

ゴールを設定していれば、現状を把握することでゴールから逆算して現状までたどることができ、ゴールに至るルートは分かるはずです。
選択肢が一見たくさんあるように感じても、何を選ぶべきなのかは分かるのではないでしょうか。

どうすればよいのか分からないというのも同様です。
現状とゴールの把握・設定しないと、そのギャップは分かりませんし、分からない以上どうすれば良いのかという選択肢を自分で作ることはできません。

中小企業診断士試験の話として書き始めましたが、これは中小企業診断士試験だけの話ではありません。
例えば中小企業の経営に当てはめてみた場合、どうしても目先の業務に追われて中長期的な目標がない、あるいは自社(自分)がその中でどこにいてどこを向いているということが把握できていない、だから余計に目の前の業に追われることしかできない。
こんな感じでしょうか。

まずはゴールを定める、その上で選択肢が多くて迷った場合、またはどうすれば良いのか分からなくなった場合、上記したようにゴールから逆算してゴールに至るルートを考えれば良いのではないでしょうか。
何にせよ、ゴールを考えていないで行動することは成功とは遠い結果になりそうです。
成功=ゴールでしょうから、当たり前ですね。

カレーはやめてトンカツにする

カレーはやめてトンカツにする

カレーを注文されて、注文通りにカレーを作って出したら「やっぱりトンカツにしてくれ、カレーの代金は払わない」なんて、まかり通りませんし、そんなことを言う人はそうそういないでしょう。
確実にトラブルになって、下手したら通報ものです(警察は民事不介入ですけど)。

契約してから内容が変わるとか、まかせるの一点張りで、納品時になってひっくりかえすようなことを言い出すとか、デザイン業界では珍しいことではありません。
受注してからの仕様変更というのはないかもしれませんが、最初から無理な条件での注文というのは製造業でも珍しくない話でしょう。

しかし、愚痴を言うだけでは何も変わりません。相手も悪意があってのことではなく、金を払っているクライアントだから(払うのは担当者ではなく、相手企業なんですが)当たり前だと思っていたり、そもそも制作工程が分からないためにどれだけの手間や費用が発生するのかが分かっていない訳ですから、そのままにしておいたら要求がエスカレートして余計に悪くなることはあっても、良くなることは絶対にありえません。
ですから、こういったことがおかしいと、ちゃんと本人に伝えないと分かってはもらえません。

それが難しいのであれば、後から何か言われたら追加注文として新たな契約を結ぶ。あるいはそもそも後から混ぜっ返さないようにきちんと契約書を取り交わしておくなど、自衛策が必要です。
個人事業主の方や、小さい会社などは契約書を取り交わさずに、よく言えば相手の善意を信頼する、悪く言えばなあなあで済ましているケースもあるでしょう。
ですが、サービスを提供して対価を頂き、その対価が費用よりも大きくならないと、当然ながら利益は出ないということはちゃんと認識していないといけません。

無理な案件、無茶なクライアントを断って、一時的に売上が下がるかもしれません。ですが、それって後退でしょうか?儲からない受注、面倒な受注をしなくてすむこと、そういった判断ができるようになること、断ることができるようになることは、私は前進だと思っているのですが。

相関関係・因果関係

相関関係・因果関係

夏になると犯罪が増えるんだそうです。
これは統計上の事実です。
他の季節と比較して遅くまで外出していたり、窓を開けている機会が多いので泥棒が入りやすいなどの理由でしょう。

言うまでもない話ですが、アイスクリームが一番売れる季節は夏です。

さて、相関関係と因果関係の意味を引用します。

そうかん‐かんけい〔サウクワンクワンケイ〕【相関関係】
1 二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係。
2 数学で、一方が増加すると、他方が増加または減少する、二つの変量の関係。

デジタル大辞泉より引用

いんが‐かんけい〔イングワクワンケイ〕【因果関係】
1 二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること。
2 犯罪や不法行為などをした者が法律上負担すべき責任の根拠の一つとして、ある行為と結果との間に存在していると認められるつながり。

デジタル大辞泉より引用

以上の意味から、普通に考えれば分かるように犯罪の増加とアイスクリームの売上には相関関係も因果関係もありませんね。
犯罪とアイスクリームは季節の影響をそれぞれ独立して受けますが、互いになんら影響を与えあうことはありません。

さて、以下の例文を読んで相関関係や因果関係があるか、あるいはそれらが正しいか考えてみてください。

  • (事象1)売上が下がった
  • (事象2)営業部員のモチベーションが下がった

以上により、売上が下がったから、営業部員のモチベーションが下がった。

さて、いかがでしょうか。

営業部員のモチベーションが下がったから売上が下がったのかもしれません。
そうなると、因果は逆になりますね。

別の考え方もあります。
(トップの方針が変わったなど第3の事象により)売上が下がり、営業部員のモチベーションも下がったという場合です。
犯罪とアイスクリームの関係と同じですね、相関関係も因果関係もないというパターンです。

ロジカルにものごとを考える必要はあるのですが、必ずしも相関関係や因果関係があるとは限りません。
相関関係や因果関係があるように勘違いして、または無理やり相関性や因果関係を持たせてしまい、判断を誤るようなことになってはいけないと思って、自分に言い聞かせるつもりでまとめてみました。

穴は埋めない

企業にせよ、個人にせよ、現状と比較して望ましい状態というのが存在するはずです。
その望ましい理想の状態になるためには何をしなくてはいけないかというと、当然の話ですが理想と現状とのギャップを埋める必要があります。

穴は埋めない

上の図をご覧ください。
りんごの木があって、手の届かない高さにリンゴの実がなっています。
そしてあなたは現在空腹ですが、食べる物をもっていません。

「空腹ではない状態」があなたにとって望ましい状態だったら、ギャップを埋めるにはどうしたらよいでしょうか。
この場合はリンゴをもいで食べることです。
手が届かないので台でも脚立でも梯子でもなんでも良いのですが、リンゴに手が届くような方法を考えなくてはいけません。
そのため、「リンゴに手が届くような方法を考える」ことがギャップを埋めるためには必要です。

何を当たり前のことを言っているのかと思うかもしれませんが、実際に望ましい理想の状態と現状とのギャップを埋めるにあたって、現状の問題点探しになっていませんか?ということです。

地面がデコボコで歩きづらいです。
ですが、デコボコの地面を平らにならしたところでリンゴの実が勝手に落ちてきてくれる訳でも、木の幹が縮んでリンゴの実が取りやすくなる訳でもありません。
(梯子を建てるのに地面がデコボコだと不安定なので、そこだけ地面をならすというのなら意味はありますが)
リンゴを取るのに関係がないので、別にデコボコに対して何らかのアプローチをする必要はありませんよね。

以前に、犯人にしやすいものを犯人にするということを書きましたが、それと似ている要素もあります。
現状の悪いところを直すことが望ましい姿になる訳ではないにも関わらず、取りあえず(ギャップを埋める効果はないものの)何か実行していることに満足していたり、労力を割いているのに効果がないと悩む。
ギャップを埋める効果も無ければ、代替手段でもない訳ですから、望ましい姿に全く近づきません。

ビジネスや勉強をやっていく上で、この例でいうところの穴を埋めるというような無意味な行為をやってないでしょうか。

自分の強み

自分の強み

本日(2015年9月7日)付の日経MJの1面に小西美術工芸社社長のデービッド・アトキンソン氏へのインタビューで以下のような文章が紹介されていました。

日本人の考える観光立国の条件として「おもてなし」「治安の良さ」「正確な電車のダイヤ」などを挙げる日本人が多い。

それに対して、

日本人が海外旅行をする際に、おもてないの優先順位は低いでしょう。しかも日本人が思うほど、外国人は日本のおもてなしがすごいとは思っていません。例えば観光地ではごみを捨てる場所や、座る場所が少ない。

ハード面での不備を指摘しています。
さらに、

治安が世界一優れているのはアイスランドですが、人口も少ないし、当然観光立国ではありません。日本人にとっての住みやすさは観光立国のための動機にはなりません。

要は日本人が強みと考えていることが、外国人にニーズに対してピントが外れているとアトキンソン社長は言っています。

日本は自然、食、文化、気候という観光立国になるための4条件をそろえる稀有な国です。

と言い切っているのに、機会を生かし切れていないということになります。

こういったことは何も外国人観光客に対する日本のインフラというだけでなく、企業の日常の業務においても起こり得ることでしょう。
特に技術先行型の企業の場合、スペックや機能がニーズに対して過剰になったりするのは、求められていないことに対して、自分が強みと感じている技術力を過剰に使用するからにほかなりません。

ただ、顕在しているニーズに応えることが企業として最良の道かと言われると、それはそれで疑問符が付きます。
世間の多くの人のニーズがあるならば、当然その市場に多くの企業が参入するでしょう。
レッドオーシャンの中で競争するということが、最適な戦略である企業は少ないでしょう。

とは言うものの、自分の強みや、どんな要素がニーズを捉える武器となるかは把握しておく必要があります。
個人の場合だと、以下のような本が(信憑性がどれだけあるかはそれぞれが判断する必要があるものの)参考になるかもしれません。

しかし、企業の場合はここまで単純にパターン化できないのでしょうか、こういった本はありません。

そこで是非中小企業診断士に…と言いたいところではありますが、やはり顧客に直接聞くのが手っ取り早いでしょうね。
突然「弊社の強みは何ですか?」と聞くのは乱暴すぎるので、何かの折に「なぜ弊社をお選びいただいたのですか?」と(できるだけ自然に)聞くようにすると良いのではないでしょうか。

予想もしなかった意外な答えが返ってくるかもしれません。
その以外さ、つまり自分が思う自社の強みと、他人の思う自社の強みのギャップが、機会の損失の一因になっているのではないでしょうか。

美味しい≠来店

美味しい≠来店

食べてみたら美味しかった。また行きたい、人を誘って行きたい。
飲食店なら理想の状態でしょう。

しかし、美味しいかどうかは実際に食べてみないと分かりません。
そのためには実際に来店していただかないといけません。
そして、実際に店に入るかどうかは「美味しそう」と思っていただく必要があります。
言葉にしたら当たり前のことなんですが、「美味しい」と思っていただく努力だけでなく、「美味しそう」と思っていただく努力ってどれぐらいの方がされているのでしょうか?

実際にあった例ですが、カレー屋さんが出来ました。
店の前を毎日通っていたのですが、それほど流行っている風でもなさそうでした。
ある時から店の前の看板がどんどん増えていきました。

具体的に書くと、店の屋号の看板を店の前にいくつも並べていたのです。
味の良さや、他との差別化できている点など、入ってみようと思わせるような訴求ではありませんでした。
前を通れば、そこにカレー屋さんがあることは分かりますから、屋号をたくさん並べる必要も、カレー屋さんですよと複数の看板で改めて訴求する必要はありません。

例えば病院や診療所なら、やさしそう、ちゃんと治してくれそう。
小売店舗なら、自分の欲しいものがありそう、興味を引くものがありそう。
コンサルタントなら、問題を解決してくれそう、頼れそう。
…などなど、入ってみよう、サービスを受けようと思っていただくような訴求が必要であるということは、飲食店に限らず、対価をいただいて商品やサービスを提供する供給者全員に該当する話です。

自分自身を振り返ってみて、ちゃんとできているかというと、反省する点ばかりですが。

安くて美味しい

安くて美味しい

「安くて美味しい」と言われている飲食店はたくさんありますが、正確な表現ではありませんね。
正しくは「安くて、値段の割に美味しい」でしょう。

さて、製品・サービスの品質(Q)、価格(C)、納期(D)はそれぞれが並び立ちません。
品質(Q)を上げようと思ったら、必然的に費用が増えるので価格は高くなり(C)、手間をかけるため納期も遅くなります(D)。
価格(C)を抑えようと思ったら、手間をかけられないので品質(Q)は通常価格と同等は難しいですし、リソースを割けないので、納期(D)を短くしろという要求も通りにくいでしょう。
納期(D)を短くしてもらおうと思ったら、手間をかけられないので品質(Q)は下がりますし、その分をリソースを割くことになるので価格(C)が上がってもおかしくはありません。

実際の制作(製作)の現場において、こういったことが無視された無茶な依頼、発注は日常茶飯事です。
発注する側が悪いのか、受注する側が悪いのかは分かりませんが、これは受注側が勇気をもって断る、あるいは条件の変更を要求しないと、発注側はどんどん条件をエスカレートさせるだけです。

与えられた条件の中で最大限のアウトプットをするのは当然なのですが、仕事としてやっている以上、利益を出せなければ意味がありません。
高い品質(Q)を要求されたら、価格を上げたり、納期を伸ばしてもらう。
低予算(C)だというなら、顧客側で可能な作業を行ってもらったり(Q・C)、顧客側での納期を伸ばしてもらう(D)。
短納期(D)を要求されたら、その分の費用(C)を要求したり、顧客側で可能な作業を行ってもらう(Q・C)。
例えば以上の対応を要求するなどして、利益を確保すると同時に、予算に見合わない要求であることも伝えるようにします。

受注側も仕事でやっていますが、発注側も仕事でやっています。
ビジネスとしての受発注で、受注側が一方的に負担を強いられる取引や契約を行う必要はないでしょう。
それに、金額に見合わない案件を受注するということは、ちゃんとした金額を払ってくださるお客様に対しても失礼です。

どうしても納得してもらえないなら、身を守るためにも受注を断った方が良いでしょう。
永続的に事業を続けるには利益を出さなければいけないわけで、そのためには単に「売上」を上げるのではなく、「利益」を上げる必要があります(もちろん売上が無ければ利益は出ませんが、利益にならなければその売上は意味がありません)。
そのためには、ちゃんと利益の出る案件を発注してくれる相手と付き合うようにしないといけないですね。

言葉の意味

言葉の意味

今年は戦後70年ということで、例年以上に「平和」という文字を見ます。
この平和という単語の意味って答えられますか?どういった状態が「平和」なのか、認識はどれだけ共有されているでしょうか。
例えば日本は平和ですか?

「平和」という単語を辞書で引いてみました。

へい‐わ【平和】

[名・形動]
1 戦争や紛争がなく、世の中がおだやかな状態にあること。また、そのさま。「世界の―を守る」
2 心配やもめごとがなく、おだやかなこと。また、そのさま。「―な暮らし」

デジタル大辞泉より引用

いかがでしょうか、これらが正しい意味だとして、皆が同じ認識だったでしょうか?
さしあたって日本は平和に該当しますか?領土紛争はないですか?

ふん‐そう〔‐サウ〕【紛争/紛×諍】

[名](スル)事がもつれて争うこと。もめごと。「領土問題で―する」

デジタル大辞泉より引用

日本政府の立場で言うと領土問題は存在せず、北方領土も竹島も日本の領土ですが、中国と台湾が領有権を主張している尖閣諸島も含めて、紛争地域に該当しないでしょうか。
だとしたら、平和ではないのではないでしょうか。

さて、前置きが長くなりましたが、普段から使用している言葉で、その意味する範囲が広くて相手に正確に伝わっていない、定性的で相手が意図するところをイメージできない、あるいは自分だけにしか分からない意味として使っていないでしょうか?
指示、命令や依頼時にトラブルになったり相手を混乱させる元になってしまいます。

私の経験ですが「作る」という単語で齟齬があったことがあります。
「ホームページ(正確にはWebサイトですね)を作れるのか」という質問に「作れます」と答えました。
これってどういう意味だと思いますか?

「作る」と言うと、企画してデザインして、コーディングして、サーバーにアップロードして…ぐらいの感じだと思われたのが一般的でしょう。私もそう思いました。
しかし、それをおっしゃった方の「作る」は私に「作れ」と言えば、人を集めるなりなんなりして、指示を出してWebサイトを期日にローンチすることという意味で使われていました。

大阪城をつくったのは誰?に対して、豊臣秀吉と答えたら、答えは大工さんというあれに似ています。
実際に木や漆喰で建物を作るなどの実作業も作る(造る)でしょうし、戦略的な意図から石山本願寺跡に大阪城を築城することを企画することも広義の作る(造る)でしょう。
この場合は作るのではなく「作らせる」をもって「作れるか?」と聞かれていますので、「作る」という単語の意味に齟齬がありました。

加えて「コーディネート」と言い出したので、これは危険だと思って「コーディネートってどういう意図で使ってますか?」と、単語の意味をいちいち確認することにしました(Webサイトを制作するにあたって「コーディネートする」って何のことか分かりますか?私には分かりませんでした)。

他には「シンプル」「目立たせる」「バランスが悪い」などもあるでしょうか。
言葉で表現しようとそうなるのかもしれませんが、定性的な表現なためにあるべき姿が分かりません。
比較対象などを用意したり、「理想を10としたら現状は5ぐらい」のように定量化するなど、解決方法はいくらでもあると思いますが、そもそもとして自分の言い方、言葉の使い方が相手を誤解させる、混乱させるという認識がありません。

発注側は、限定的な表現になっているか、定性的なことはできるだけ定量化する、具体的にいうなど、誤解なく伝わるように。
受注側は、あいまいだと感じたことは確認する、定性的なことは定量化できるように聞き直す、具体例を出させるなどして自衛するしかないでしょう。

受注側にとって非常に大きな問題となるのが、代理店などが間に存在するパターンです。
代理店の担当者が役に立たないと制作側が非常に困りますが、制作側が代理店に色々確認しても、そもそも代理店の担当が分かってないので当を得た解答は期待できません。
そのくせ直接発注側に連絡を取って聞こうとすると怒る代理店もいます。
こればかりは解決が非常に難しいです。代理店の担当者に根掘り葉掘り聞いて、この程度のことは聞いておかなくてはいけないと思ってもらうしかないかもしれません。

ご依頼やご相談、お問い合わせなどはこちらより受け付けております。
初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください