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iPodとiTunesで考える提供価値

ウォークマンと言えば1979年にソニーが発売した、世界初の携帯型オーディオプレイヤーです。
カセットテープからCDやMDなどメディアの変遷があり、現在はMP3のような音声データとなっているのはご周知のとおりです。

スマートフォンの普及により、現在は携帯型のオーディオプレーヤーよりも、スマートフォンに音楽データを入れて通勤・通学途中で聴いている方が多いのではないでしょうか。

さて、スマートフォン以前の携帯型オーディオプレイヤーとして最もポピュラーだったのはAppleのiPodでしょう。
2001年に最初の機種が発売されましたが、iPodが世界初のMP3プレイヤーだと思っていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、実際は異なります。
1998年には韓国のセハン情報システムが発売した世界初の携帯型MP3プレイヤーであるmpmanがすでに日本にも入ってきていました。
その後、ソニーを始めとしたいくつかのメーカーはAppleに先駆けて音楽データを再生できる携帯型オーディオプレイヤーを発売していました。

では、なぜ他社の製品ではなく、iPodがヒットしたのか。
著作権の問題や広告宣伝などの諸所の理由はありますが、大きな理由としてデータの転送・管理が楽だったということが考えられます。

iPod以前のプレイヤーは専用のソフトがなかったので、PCでCDの曲データをエンコードし、MP3プレイヤーに転送するに当たり手間がかかっていました。
それに対して、Mac用の転送・管理ソフトだったiTunesをiPodの管理ソフトとしての機能を持たせ、ドライブにCDを入れるとiPodに音楽データとなって転送できるという手軽さがありました。

好きな音楽を持ち歩くという点ではiPodもそれ以外のMP3プレイヤーも同じかもしれませんが、実際に持ち歩くまでの手間、必要なリテラシーが異なります。

Appleはハードだけでなく、簡単に好きな音楽を持ち歩くための仕組みを提供したのに対し、iPod以前はハードしか提供しなかったと言えるでしょう。
それが、普及の要因の一つと言えるのではないでしょうか。

性能の高いハードを開発、販売するだけならアドバンテージを得にくい商品カテゴリー、それほど高いスペックを要求されない商品カテゴリーは、追及するのはハードの性能だけではないといえます。